公募を続けていると、ある日突然、電話やメールで、「あなたの公募作品が最終に残りました」あるいは「受賞が決まりました」という通知が来るかもしれません。
というか、来たのでこの記事を見に来たのかもしれません。
最終常連、受賞常連などの人は、心など揺らがないかと思いますが、初めてだった場合、心臓が高鳴りすぎてよく眠れない、という人も多いのではないかと思います。
最終に残る人や受賞する人は、応募者の中でもごくわずかだからかもしれませんが、こういう人に向けた記事って、検索してもあまり出てきませんでした。孤独ですよね。
著者も、初めてこのような状況になった時、どうやって過ごしたらいいかなどに困ったので、その時のことを思い出して、注意点などを書いてみました。
なお、著者は受賞歴、最終選考残留歴ともにありますので、多少の役に立つかもしれません。
もしあなたに、最終選考通知・受賞内定通知が来た時の、イメトレとしても使えるかと思います。
とにかく沈黙する
先方から、選考通過情報を、指定の日時まで非公開にしておくように言われている場合には、絶対に、誰にも、喋ってはいけません。
くどいようですが、どれだけ親しい人にだろうと、喋ってはいけません。
常識的なことなんですけど、これができないで叩かれる人もいます。
SNSはお休みする
最近はSNSという存在があるので、秘密にしておくべきことをうっかり喋ってしまう危険が高くなっています。
承認欲求が理性を上回ってしまうんですね。
そのようなミスをしないために、SNSは最終選考通知が来てからは、可能なら更新しないほうがいいです。一切の発信をしなければ、喋ってしまうリスクは回避できます。
SNSは、発表までログインしないのが最もおすすめです。
最終選考から結果が出るまでは、さほど長い期間ではないことが多いです。将来的なことを考えれば、そのくらいの間なら我慢できるのではないでしょうか。
なお、理由は、リアルが多忙、とでも言っておけばいいかと思います。
とはいえ、世の中にはSNSを見ないとそわそわしてしまう勢もいると思うので、そういう人は、見る専をしておきましょう。問題を起こしたくないなら、発信はやめたほうがいいです。
とりわけ、大きな賞で通過・受賞の通知が来ている場合、プロデビューまでリーチがかかった状態とも言えます。そういう状態で、何かを発信すること自体がリスクです。
何をつぶやいても、炎上するリスクは必ずあります。
特に、ある程度の選考まで進んだことを公表しているアカウントは、誰か(同じ公募の通過者、落選者)に見られていると思ったほうがいいです。
通過を公表していなくても、その賞に応募したのと同じペンネーム名で登録してあるアカウントだったりする場合は、通過を公表しているのと同じです。
つまり、あなたのアカウントは、炎上するリスクがいつもより高い状態にあるんですね。
しかも、こちらは通過通知が来ているから、浮かれているんですね。自分では気づかないかもしれないんですけど。失言をしやすい状況になってます。
それらのリスクをすべて回避する方法は、何も発信しないことです。可能な限りSNSからは距離を置いておきましょう。
現在のポジションは、嫉妬されやすいと心得る
あなたが最終選考に通っている、あるいは受賞した、ということは、あなた以外の多くの人は、その公募(コンテスト)に落選しています。
一度でも、自信作を送った公募で負けたことがあるなら、その悔しさが、筆舌に尽くしがたいことはご存じかと思います。
まだ公式には通過情報が発表されていない状況では、多くの人は自分の当落について、すごくワクワクしながら待っているはずです。
そんな時期に通過・受賞匂わせをしたら、「なんでこんな、伏せておかなければいけない情報を喋っちゃうような奴が受賞するの? ずるい。許せない」
って思うんじゃないでしょうか。
そうすると、仮に賞開催者からは見逃してもらっても、この人は受賞前に秘密情報を漏らしたモラルのない奴、という情報がずっとついて回ります。
仮に相手が、とても親しい公募仲間だろうが、自分が落ちているのに相手の受賞を喜んでくれるような人格者だろうが、通過通知があったことは、受賞前には喋ってはダメです。
というか親しい公募仲間だからこそ、最低限のエチケットは守りましょう。
一時の自己顕示欲に流されないようにしましょう。受賞してからがスタートラインだということを忘れないことが大事かと思います。
新しいコンテスト用作品を作る
最終選考に残っている場合、待っている時間は、生きた心地がしないですよね。
でも、そわそわSNSをのぞいているだけでは、時間がもったいないです。たとえ最終に残っているとしても、確率的には受賞できない可能性だってあります。
不幸にも落選した場合、また新たな作品で公募に挑んでいく必要があります。受賞した場合だって、次回作が必要になってきます。
待ち時間で新しい作品のアイデアを考えたり、そのための下調べを行うなどして、次の作品へ、徐々に意識をシフトさせていくのが有意義です。
そうしておくことで、もしかして来るかもしれない落選の悲しみを緩和できます。
最終選考で落ちるのはダメージが大きいですからね。
・下調べのコツ記事↓
最終選考で落ちた時
そういう時もあります。
公募で最終選考まで行ったということは、あなたの作品が対外的にも評価されたということなので、自信を持って次の公募に挑みましょう。
なお、最終に残った作品を、他に使いまわす人も多いかと思います。
その時注意してほしいのは、最終に残って落ちたということは、編集やプロ作家など、多くの人の目で審査した結果、何か瑕疵があるために受賞できなかったことを意味しがちだということです。
最終まで残れば、たいていは講評がもらえるので、それを読みこんで、瑕疵部分を改稿してから再応募したほうがいいかと思います。
また、最終に残った作品が、他賞では一次もかすらない、というケースもよく見ます。
最終選考という肩書きでゴリ押せる部分とそうでない部分があるようです。最終選考に残ったからと言って驕らず、新しく応募する先のレーベルのカラーに寄せた感じに改稿して応募しましょう。
最終選考通過作は宝物かもしれませんが、あまりその作品にこだわりすぎると、次の作品がその作品に引きずられてしまったり、最悪の場合、書けなくなってしまいます。
一つの作品に執着しすぎないのが、公募サイクルをうまく回すコツです。
役に立つかわからないですが、この記事のリンクを置いときます。
受賞したら
あなたが受賞したのは、あなたの実力だけではありません。
賞に選んでくれた人もいるし、応援してくれた人もいるかもしれません。作品を賞に推すのは一種の責任を伴うので、選んだ人・企業が困らないような振る舞いを心掛けましょう。
とにかく、周囲にはお礼を伝えましょう。
浮かすぎて失礼な発言をしないように心掛けるのが大事だと思います。
受賞はスタートにすぎません。
まとめ
最終選考の通知が来たら、SNSは沈黙しておくのが最善手。守秘義務がある場合、どれだけ親しかろうが、通過・受賞情報を漏らしちゃダメ。たとえ相手がいい人でもダメ。
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