こんにちは、公募好きのサメダです。
公募での獲得賞金は2017-2024年で170万くらいです。すごく大きな賞は取ったことがないですが、受賞数はけっこうあるので、比較的汎用性のある入賞コツをお伝えできるかもしれません。
あなたは、「もっといい作品にしないと賞が取れない」と思いつめていませんか?
ひょっとするとそれは、真面目過ぎる状態なのかもしれません。
真面目なのはいいことですが、度が過ぎると、完璧主義の罠にはまり込んしまいます。
公募は、真面目さや完璧主義を極めたところで、結果が出るわけではないシビアさがあります。真面目な人ほど疲れてしまうんですね。
今回は、公募において完璧主義をめざすメリットデメリット、完璧主義と距離を置いて、適度に気楽に公募に取り組むには? という点について書いていきたいと思います。
公募における完璧主義のデメリット
完璧主義にこだわってしまうデメリットは以下です。
- 完成が遅くなる
- ストレスがたまりやすい
- 受賞作に対して批判的になる
以下、詳しく見ていきます。
完成が遅くなる
公募は「その賞にとって優れた作品」に賞が与えられるので、なるべくベストを尽くして、よい作品を応募するに越したことはありません。
真面目な人ほど、そういう思いが強いのではないでしょうか。
しかし、「その賞にとって優れた作品」が具体的にどういうものかは、結局、応募者には永遠にわかりません。
ですので、「もっといい作品にブラッシュアップしてからじゃないと応募する価値がない」などと、勝手に自分でハードルを上げ過ぎてしまうのは、考えものです。
あなたが、その応募作に対して、どれほど完璧と思えるまで手をかけたか、ということと、その応募作が賞を取りやすいかどうかは、全く関係がありません。
公募における完璧主義の最大のデメリットは、作品の完成が遅れることです。
一作を完成させるまでのスパンが長いと、生涯で応募できる作品数が減ってしまいます。
公募は運要素がかなり強いので、乱暴な言い方をすると、懸賞と近い部分があります。しかも、応募しないと絶対に受賞できません。
可能な限り多くの公募に参戦して、受賞チャンスを増やしていきましょう。
10割ではなく、8割くらい満足できる作品になったら公募に投げてみて、その結果を考察して、作品をブラッシュアップして、また別の公募に使いまわす、という流れも一考です。
8割ではだめだな、こんなのとても公募に出せない、と考えてしまう人は、もしかすると自尊心が低いのかもしれません。
公募で作品の優劣を決めるのは自分じゃなくて、選考者です。それなのに、こんなレベルじゃ公募に出せない、と自分で壁を作ってあきらめてしまうと、スタートラインにすら立てません。
自尊心を高める方法はいろいろあると思いますが、本を読んでみるという手もあります。『うまくいっている人の考え方』は、自尊心を高める方法について100項目も述べられているので、これだけあれば、どれかはあなたに合うかもしれません↓
受賞作に対して批判的になりがち
完成度を高めるために、同じ作品だけにずっと向き合っていると、思い入れが強くなりがちです。
思い入れのある作品が落選すると、落選のつらさが、ひときわ身に沁みます。
受賞作なんかより自分の作品の方がずっといいのに、などと思ってしまうかもしれません。本屋で、「受賞作」という帯が巻かれた本から、視線を外したくなる場合もあるんじゃないかと思います。
そうすると、受賞作からよいところを学び取る、という行動ができにくくなってしまいます。これは公募を続ける上で、あまりよいことではありません。
公募で完璧な作品を求めることは、いわば自己満足の領域なので、程々にしたほうがよいかと思います。
自分の求める完璧さと、公募の選考者が求めるクオリティは、イコールでないことを、常に頭に置いておいた方がよいかと思います。
・(参考)疲れてしまった時におすすめの本を紹介している記事はこちら↓
公募における完璧主義のメリット
作品の質が高くなりやすくなる
基本的に公募は完璧主義になりすぎないほうがいいですが、例外もあります。
新作しか受け付けない、という公募に送る時です。
この場合は、あとからブラッシュアップして同じ賞に再応募、というルートが使えないので、もうこれ以上手を入れようがない、というところまで作品のクオリティを高めていくのがベターです。
自分ひとりだと思い込みが強くなるので、なるべく、応募前に自分以外の人に作品を見てもらうようにしましょう。その方が問題点を潰しやすいです。
ただ、新作しか受け付けないところは、当然ながら、ゼロから作品を作りださないといけない上、小説賞などは99%落ちるというコスパの悪さがあります。時間的、体力的に余裕があったら応募、くらいに考えておいた方がいいかもしれません。
この記事の制作者・サメダも感想書きサービスをしております↓
完璧主義と距離を置くには
- 高い目標を自分に課しすぎない
- いま作っている作品は、商品だと考える
- 作品に思い入れをしすぎない
高い目標を自分に課しすぎない
この世に完璧なものなど存在しません。
創作物だってそうです。「もっと良い表現を」と、追い求めていくと、永遠に修正できてしまいます。
趣味なら、どこまでも自分の思う完璧さを追求してもいいと思うのですが、公募に送る場合は、どこかで完成を決めておかないと、応募機会を逸してしまいがちです。
どうやって「永遠に修正しつづけていたいという欲望」を押さえて切り上げるのか?
その方法のひとつが、「いま作っている作品は、商品だと考える」ことです。
いま作っている作品は、商品だと考える
もしプロになったら、納期があります。
納期を守らないと、社会的な信用が落ちて、次の仕事が来ないかもしれません。
納期に間に合わせるためには、下調べもある程度のところで切り上げなければいけないし、作りこみも、修正も、一定の水準までで妥協しなくてはいけません。
そうじゃないと、商品として売り出すことができません。
自分の作品は、期日までに納品させるための商品だ、と考えてみましょう。
納期として仮定するのが、何らかの公募の締切日です。公募締切日は納期だと思って、プロになった気持ちで、締切重視で創作に取り組んでみてはいかがでしょうか。
完成までの期限を定めることで、創作活動にメリハリがもたらされます。
・(参考)〆切間に合わない時に読むと心穏やかになるかもしれない本について書いてある記事↓
作品に思い入れをしすぎない
作品を商品だと考え、いずれ誰かの手に渡るものだと思って創作すると、作品への過度な思い入れを減らすことができます。
作品を必要以上に、自分だけの大事なものだと思いすぎると、作品に優劣を付けられてしまう場である公募では、傷つくことが多いです。
魂の入った、誰にも価値づけされたくない大事な作品は、同人誌などで、自分が楽しむためだけに発表しておいた方が、充足感を得られます。
自分の深く愛する要素をてんこ盛りにするのではなく、その賞をよく研究して、勝ちやすそうな「商品」を作り上げて送ったほうが、戦略的ではないかなと思います。
自分の嗜好と社会のニーズは往々にして違うからです。
面接で自分のありのままの姿を見せる人がいないのと同じで、公募もある程度、外面(公募用作品)で武装した方が、落選時のダメージが少なくすみます。
ダメージが少ないと立ち直りやすく、落選理由を考察する際も、冷静に取り組みやすいのかなと思います。
ただ、公募用作品として割り切って作る、というのは、作品をぞんざいに作っていいという意味ではありません。ちゃんと傾向と対策を自分なりに練った作品を作る努力は大事です。
まとめ
公募によって完璧さを追求する度合いを変えていきましょう。完璧主義になりすぎないように、時には他者の目を借りるなどして、冷静に創作に取り組みましょう。
次回のこのシリーズ記事は、落選ダメージ緩和のコツを書いてます。結果発表を見に行く前にした方がいいこととは? みたいなことを書いてます↓
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