超・妄想コンテスト(以下、妄想コン)に入賞したいですよね。
でも、なかなか通らない。
応募数がだいたい毎回600以上あるから、競争が熾烈なんです。一般文芸の2次選考より絞られてしまうこともあります。
応募者の90%以上が落ちます。
でも、落ちた瞬間は頭が冷静でいられず、
![創作の民](https://sousaku-numa.com/wp-content/uploads/2023/07/jinbutu2-150x150.png)
なんで? 受賞作より自分の作品のほうがずっと面白いのに!
と思う妄想コン勢も少なくないんじゃないでしょうか。
著者も名前の載らなかった結果発表ページを見た時、分不相応にもそんなことを考えたりします。
でも落選するのは、妄想コンのお作法にのっとっていないからかもしれないんです。
そういうわけで、今回も、前回に引き続き、妄想コン対策を考えてみました。
児童書を研究するのが近道
妄想コンは、受賞すると、河出書房新社の「5分シリーズ」に収録される場合があります。
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ところで、ここが重要なのですが、
河出書房新社は、「5分シリーズ」を「児童書」として出版しています。
児童書は、おおむね12歳ごろまでを対象にしている場合が多いです。
妄想コンは、子どものための話を書く、と想像してみてはいかがでしょうか。
気を付けるべき事項が、ざっくりと浮かんで来ませんか?
・誰が読んでもわかりやすいシンプルな文章
・経験や知識がなくても話に入り込めるような工夫
・児童書を買うのは主に親。親がOKを出せるようなテーマ、内容の選定
など。
ほかには、
前回書きましたが、妄想コンには、ガチ系のBLとGLの作品は選ばれにくいのかなと思われる部分があります。
デリケートなテーマなので、児童書に載せるのにふさわしいBLとGLの表現というのは、厳選されてくるのかもしれないですね。
じゃあ残酷表現もダメなんだろう、と思うかもしれません。
しかし意外なことに、児童書分野でも残酷なシーンのある作品が、高い評価を得たりしているんですよ。
たとえば、アニメ化もされた、『火狩りの王』。けっこう人が死にますが、良質なハイファンタジーとして、高評価です。
妄想コンでも、殺し屋が仕事をする話などが受賞していたりもします。「5分シリーズ」に収録されるかどうかは不明ですが。
児童書も、昔と変わってきているのかなと感じます。「子供だまし」な作品が少なくなってきているというか。
子供時代が遠くなってしまった人は、あらためて児童書に対する情報収集が必要なのかなと思います。
じゃあ、妄想コン対策には、何を読んだらいいの、というのを続いて見ていきます。
今の児童書を研究する
現在の児童書レーベルで有名どころとしては
・ポプラ社の「キミノベル」
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・KADOKAWAの「角川つばさ文庫」
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・集英社「集英社みらい文庫」
・講談社「青い鳥文庫」
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などがあります。
書店に行ってざっと眺めてみると気づくと思いますが、最近の児童書は、ほとんどライトノベルと変わらないようなアニメ絵っぽい、美麗表紙であることが多いです。
特に参考になりそうな作品
妄想コンテストが収録された、河出書房新社の、「5分シリーズ」の過去出版作を読むのが一番対策になります。
どのような作品が掲載されるのか、答えがそこにあるようなものです。徹底的に読み込みましょう。
河出書房新社の5分シリーズ近刊例
ほかに個人的に参考にしやすいかなと思うのは、元は一般文芸として出版された本で、児童書でも出ている作品です。
などなど。探せばまだ出てくると思います。
ポイントは、児童書版のほうを読んでみることです。作品によっては、子供向けでないシーンが一部カットされている場合もあるようです。
『夜は短し~』は、アニメ化もされた大変味わい深い作品ですが、児童向けとしては是非が分かれるところですよね。アマゾンレビューにも、小学生にはまだ早い、などと書いている人がいました。
『夜は短し~』は、児童書としては賛否のあるところだと思いますが、ほかの一般文芸→児童書の本を参考にすると、恋愛・残酷描写などの書いていい線引きラインがわかったり、大人にも子供にも刺さりやすい話が描きやすいのではないでしょうか。
YA書も参考にするのがベター
重ねて書きますが、妄想コン受賞作品が収録される、河出書房新社の「5分シリーズ」は、児童書として刊行されています。
児童書は、おおむね12歳ごろまでを対象にしている場合が多いですが、場合によってはティーンエイジャー全般を指したりもします。
ですので、YAの本も妄想コン攻略に役に立つかと思います。
YA(ヤングアダルト/ワイエー)とは、子どもから大人への転換期にある13歳〜18歳の中高生世代のことです。
中高生世代でも、児童書を読む層はいるようですので、この年代が好む本などをチェックしてみるのもいいかもしれません。
例えば、5分で読めるシリーズは、妄想コン作品を収録してくれる河出書房のものだけでなく、学研、KADOKAWA、宝島社なども出しており、それが参考になるかもしれません。
というのも、この系統の本は、子供だましでない内容が、人気を博しているようなんですね。
図書館には、児童書だけでなく、YAのコーナーがあるところも多いので、そのあたりでタイトルを眺めたり、何冊か本を借りて読んでみると、ぐっと参考になるかと思います。
まとめ
・「5分シリーズ」に収録されることを想定してコンテスト作品づくりに臨むとベター。
・児童書とYA向けの本を何冊か読んでみるのもおすすめ。
ただ、昨今「5分シリーズ」の刊行スパンは長くなっており、どうなっていくのか読みづらくなっています。あまり収録されることばかりを目指すと疲れるかもしれません。ほかの公募も考えてみるのがいいかも。
・(参考)この賞は規定文字数が妄想コンに近いです↓ 傾向はだいぶ違う印象ですが……
コメント
サメダさんこんにちは^_^
5分シリーズを読んだ事がない不届き者です。なので読んでみます。
エブ内では、次の5分シリーズのテーマを予想して妄コンを書くツワモノもいる昨今、書籍は元気がなくなったと言われても「書籍化願望はなくならない」やん。
ほくそ笑む森山です^_^よきよき。
次回は是非ともその分析力で『5分シリーズを狙わない妄コン勢の戦い』を検証して欲しいです。
短編の命、オチの秀逸さに特化したオチ追い続ける妄コン人や、流行りの三段オチ、ホラーこだわり、休みなく提出する妄コン人、そしてレギュラーと呼ばれる妄コン人。
妄コン結果は、隅々まで観察すると面白いですね^_^
つぐみさんおはようございます。
「書籍化願望はなくならない」って名言ですね。そんなのみんな書籍化したいよ、って思いますよね。
5分シリーズを狙わない妄コン勢ですか。妄コン勢も色々いますねー。
賞のコツって、実はあんまりよくわからずに書いてるんですよね笑。
賞をあげるサイドの人間なら、もっとわかるのかもしれないけど……
今度考えてみますね!