小説投稿サイトに作品を投稿してみたけど、閲覧数0。
なぜ自分の小説は読まれないのだろう?
そんな気分になったことはありませんか?
もしかすると、作品が、読者にとって読み進めにくいのかもしれません。
このシリーズでは、数年前までweb小説初心者だった著者が、こんなことでつまづいたので、気を付けたらいいかもよ、という内容を、小説投稿サイト初心者向けに書いています。
今回の記事では、登場人物表を入れて読者へのホスピタリティを高める、という点について書いていきます。
登場人物表に入れたほうがいい要素、キャラクターのネーミングのコツなどにも触れています。
登場人物表があると読書がはかどる
作者であるあなたにとって、自分の作品の登場人物は見分けられて当然。
なんだったらキャラクターの声や、ビジュアルまで思い浮かぶかもしれません。
それは、その作品に触れている時間が、世界で一番長いからです。
読者はそうではありません。
読者にとって、小説投稿サイトの作品を閲覧するのは、無料でできる娯楽の1つにすぎません。
読み手は、いくつも並行して作品を読んでいる場合もあります。
久しぶりにやってきた読者の中には、あれ、このキャラクター誰だっけ? と思う人もいるのではないでしょうか。
そのキャラクターが思い出せるまで、ページを遡ってもらえればいいのですが、気の長い読み手ばかりではありません。
こういう記事もそうなのですが、興味がないとすぐに離脱されてしまうのが、web読み物全体の傾向です。紙読書の場合より、読者の気が短くなりがちなんですね。
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キャラクターがわからないと、ストーリーまでわからなくなってきます。ストーリーが追えなくなると、読んでいてもつまらないです。
そうなると、せっかくついてくれた読者が、離脱してしまう可能性が高まります。
登場人物が2人くらいしかいなくても、自分の中では登場人物たちはキャラが立っていると思っても、登場人物一覧はどこかに入れておきましょう。読み手にとって親切ですし、読者離脱防止に有効です。
特に登場人物一覧を入れたほうがいい作品
- ミステリー
- 歴史もの
- 関係性が複雑な作品
- 登場人物が多い作品
特に、ミステリー要素がある場合、登場人物表は、謎解きの手がかりとして、かなり大事です。
館ミステリなどなら、間取り図なども入れたほうが親切かもしれません。
歴史ものも、似たような(あるいは同じ)名前、苗字の人がたくさん出てきて、歴史が得意じゃない人は混乱するかもしれないので、入れておくとベターかと思います。
・歴史書く人向けに多少使えるかもしれない記事↓
登場人物表には何を乗せるか
- 名前
- 性別
- 役職
- 年齢
- ちょっとした性格設定など
このあたりの情報+イラストがあると便利かなと思います。
誕生日や血液型、民族系統などが話に関わってくるのであれば、それも書いておいた方がいいです。
ネタバレすると困る情報まで書く必要はありません。
あくまで作品を読み進めるのに必要なものだけを、端的に、淡々と書けばOKです。セールス文ではないので、ドラマチックに書く必要はありません。履歴書を記入するみたいなテンションでOKかと思います。
どういう風に描いたらいいのかわからない、という人は、自分の描いているジャンルの書籍を読んでみるのをおすすめします。
ラノベ、ライト文芸あたりであれば、登場人物表は本文の前のあたりに、イラスト付きで載っている場合が多いです。また、一般文芸の場合でも、ミステリーやSFは登場人物表がわりとあります。迷ったら参考にしてみては。
個人的に、登場人物表があってよかったと思った作品
・『三体』(早川書房)
謎の高等文明を有する宇宙人、三体人が地球に攻めてくるSF。圧倒的で絶望的なまでの科学力を持つ三体人に、人間が頭を絞って対抗するのが胸アツです。
キャラクターネーミングのコツ
メインの登場人物に、同じ文字数や同じ漢字が入った名前を並べられると、読者は混乱しがちです。誤読しやすくなります。
歴史小説だと避けようがないのですが、それ以外であれば、なるべくメインキャラクターの名前は、変化を付けたほうが無難かなと思います。
名前は、国ごとの特徴があるので、思いついた名前がその地域らしい感じかどうかを、確認したほうがいいです。
たとえば、女性形と男性形のある言語圏をベースにした作品で、女性に男性の名前を付けるなどをすると、詳しい人につつかれがちです。
そうすると、ベースにする国の事情から学ぶことになるのですが、ファンタジーなどをしっかり作りこみたい人は、ある程度この部分の下調べを、しっかり行うことをおすすめします。
また、その単語に、悪いスラングなどのニュアンスがないかどうかも確認しておいた方がいいです。
ネーミング方法の例
- その国の歴史人物(あまり新しい時代の人は避ける)をちょっと変える
- その国の辞典などから取る
- 流行を取り入れる
など。
ネーミングの流行はある程度チェックしたほうがいいです。特に日本人名前の場合は読者が流行を感じ取りやすいので、注意が必要です。
というか、ネーミングセンスで作者の年齢が類推できる場合すらあります。
昭和世代と令和世代では、名づけの傾向が違いますよね。ですので、そういうのは取り入れたほうが、年齢相応で、自然なキャラクター造形ができるかと思います。
これは良い名前、と思った場合はメモをして、いつか使えるようにしておくと創作がはかどります。
ネーミングに役立つかもしれない本の例
・『配色アイデア手帖 世界を彩る色と文化 』
色が世界の地域ごとに分かれて紹介されているので、キャラクターの名付けに使いやすい印象。
色の名前は、植物から取られたり、歴史のできごとから取られたりと、ネーミングが様々なので、色彩の解説本を読むと、その国の文化背景の一端も知ることができたりします。
また同人やブログでアイキャッチを作る人など、デザインをする人は、カラーチャート代わりにもなるので、何か1冊くらいは持っていると、便利かも。
・『色の名前と言葉の辞典888』
紹介されている色数は多いです。辞典なので、ちょっと重めなのがネック。
・『エモい古語辞典』
日本語の古語だけではなく、仏教用語など、アジア圏のエモい単語も収録しています。キャラクターの名づけに使えそうな単語もあります。
イラストがきれいなので、手元に置いておいてパラパラめくっても楽しいかも。
・『言の葉連想辞典』
個人的に、見やすいレイアウトで言葉が掲載されている印象。
収録単語数こそ少ないのですが、この絵のテイストが好きだという方は、ムードのある詩集みたいな感じで楽しめるかと思います。
人物関係図を入れる
登場人物表だけでも十分かと思いますが、長編などの場合、話が進むにつれ、登場人物の関係性が変わってきたりしますよね。
そのため、章のはじめやおわりごとに、最新の登場人物関係図を入れておくと、より親切かなと思います。
人物関係図を作るメリットは、長文を読むのがめんどくさい人に、誰が重要なのか、メインキャラクターは互いにどのような関係なのかなどが、瞬時にわかってもらえることです。
キャラクターの関係を理解してもらえれば、あなたの作品に没入してくれる可能性が高まります。
イラストが描ける方はイラスト入りにするのがおすすめです。
ビジュアルがあると、より、記憶に残りやすいようです。
・(参考)イラスト発注時の注意点記事↓
・こっちの記事もキャラクター設定についての記事です↓
まとめ
ミステリーや歴史もの、話が複雑な場合は、登場人物表を入れることで読者離脱をある程度防ぐことができる。
次回のこのシリーズ記事では、ひとつの小説投稿サイトにこだわるデメリットと、執着をなくすヒントについて書いています
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