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【初心者向け】小説の表紙イラスト・デザインを頼むときの注意点

小説表紙用イラスト・デザイン発注時注意点記事 書き物関連

せっかく書き上げた小説、webにUPする時や、同人誌にするときには、いい表紙を付けたいなって思いませんか?

自分でできない場合、他者に依頼すると思いますが、その時の注意点についてまとめました。

なお、この記事の書き手のサメダは制作・発注どちらのサイドも経験しています。何かお役に立てばと思います。

依頼先を決めるまでの注意点

できれば個人間のやり取りは避けたほうがいい

依頼で揉めがちなのは、金銭の授受のシーンです。

例えば、払った・払っていないの問題、お金を支払ったのに納品してもらえない、などのケースです。

それを避けるためには、個人への直接連絡は極力避け、スキル販売サイトやクラウドソーシングサイトで販売されているイラスト・デザインの制作サービスを購入します。

なお、上記サイトは、依頼にはどれも会員登録が必要です。

※Skebは、修正依頼ができません。制作者が出したものが即・納品物である点は注意。

サービス仲介サイトを利用するメリット

  • 基本的に先払い制
  • 品物が納品されなければお金は帰ってくることが多い
  • やり取りはサイト上に全部残るので、言った言わないで揉めることが少ない

サービス仲介サイトを利用するデメリット

  • ある程度の安心が担保される代わりに、やや高くつく

サービス仲介サイトでお店を出している制作者サイドは、お金を受け取るときに、サイトのサービス使用料(手数料)を取られる仕組みです。

そのため、手数料で引かれるぶんをあらかじめ上乗せした金額を、イラスト・デザイン制作代としてお客に提示する場合が多いです。結果的に、個人間で依頼をやり取りするより、値段が高くなる傾向があります。

ならば個人間で直接受発注したほうがいいのでは? と考えになりそうですが、トラブルはいつ起きるかわからないので、サイトを介してやり取りするほうが無難です。

ただ、本屋で売っているような本の表紙を手掛けるような、ガチのプロイラストレーターなどは、上記のようなサービス仲介サイトを使っていなかったりします。そうするとどうしても個人依頼にならざるを得ない場合もあると思うので、ケースバイケースとも言えます。

大事なのは、信頼できそうな相手かどうかです。少しやり取りして確認してみてから取引を決めても遅くありません。

・参考記事↓(非萌え系プロ絵描きに依頼を考えている人向けの案内がちょっと載ってます)



やりとりは丁寧に・タメ口は避けたほうが〇

おそらく、面識のない人に依頼することになると思うので、一定の距離間は大事です。

タメ口は避けて、ですます調にしておくのが無難です。

こちらがお金を払っているのだから、どんな言葉遣いでもいいだろ、思う人もいるかもしれないのですが、相手にしてみると、「割安で依頼を受けてあげているのに横柄」という考えかもしれません。

そういうわけで、避けられるトラブルは、あらかじめ避けたほうがベターです。

ここが大事なのですが、制作者サイドに遠慮して、依頼者は卑屈になれ、と言っているわけではありません。「丁寧に対応する」と「萎縮する」は違います。お金を払う以上、要望は遠慮せずに出しましょう。

その要望が、出した金額以上の求めである場合、制作サイドは、お断りや追加料金の要求など、選択肢を提示してくると思うので、遠慮して言わないのは後悔のもとです。

とりあえず意思疎通をしてみるのが大事かと思います。

クリエイターとのやり取りの時、参考になりそうな本

以下はビジネス本なのですが、自分の小説をイラストやデザインでブランディングすることはすでにビジネスかもしれないと考えると、何か役に立つかもしれません。

・『話せる、伝わる、結果が出る!コミュトレ――10万人のデータから導き出されたビジネス・コミュニケーションスキル』

・『頭のいい人が話す前に考えていること』




お金を振り込む前に確認すること

サイズ指定大事

デザインもイラストも、発注する時は、サイズ指定が大事です。

自分が必要とするサイズで制作してくれる人なのかどうかは、確認を取っておく必要があります。

小説サイトにUPする場合は、サイズも小さくて大丈夫ですが、もし、創作イベントに出ることになってその表紙を紙に刷り出したい、と考えている場合は、サイズ(と解像度)が十分じゃないと、印刷した時に、ボケたようになって、綺麗に見えません

Web上で問題なく見えていても、紙に刷るには十分なサイズではない場合もあります。

うーん、サイズとか言われてもよくわからないな、と思う人もいると思うので、そういう時は、そのイラストの使用用途を制作サイドに伝えてください。

たとえば、「文庫本サイズで印刷する予定がある」ですとか、「新書サイズで印刷したいので」などと具体的に言っておけば、制作サイドはそれに合わせて制作物を納品してくれるはずです。

デザインも、サイズが大事です。小さいサイズ合うデザインと、大きいサイズに合うデザインは、違います。ベストなデザインを作ってもらうためには、サイズ指定は、ちゃんとかけておきましょう。

サイズがどうしても決まらなかったら、イラストの場合は大きめに頼んでおくといいかもしれません。

大きいイラストを縮小することはできますが、拡大することはできないからです(ボケたりして汚くなるから)。

大判のポスターに印刷する予定がないのであれば、A4印刷に耐えうる程度のピクセル数もあれば、十分すぎるほどの大きさかと思います。

ただ、制作サイズが大きければ大きいほど、依頼料金も高くなる点は注意


納期大事

イベントに参加するなどの理由で、完成品を納品して欲しい希望日がある場合もありますよね。

頼んだけど全然仕上がってこない、とやきもきしないように、納期について確認しておきましょう。

納期の指定で一番大事なのは、納品日を自分の欲しい日のギリギリしないことです。

制作者の方への納品希望日は、自分が欲しい日よりも、いくらか前倒しした日付を伝えておく必要があります。

というのも、制作者サイドのトラブルなどで納品日に納品されない、ですとか、自分のインターネット環境が悪化してデータが受け取れない、などの不測の事態もあります。

そうすると、こちらも焦りが極まってきますし、最悪、自分の欲しい期日に、納品物が届かない、という悲劇も起こりえます。それはつらいですよね。

欲しい日から逆算して、今何をすればいのかを考えてみましょう。

ただし、制作者にも制作者の都合があります

スキル販売サイトに納品日の目安が描いてある場合もあります。ない場合は、制作者に確認しておきましょう。



確認したところ、自分の希望日に間に合わない場合

  • 追加料金を出すことで、特別に早く仕上げてくれる制作者もある
  • 希望期日に間に合わせてくれる制作者を探す

ひとまず自分の中の優先順位を確認してみましょう。

お金を追加してでもその人に依頼したいのか、それとも納期が優先なのか。これを早急に決めることが大事です。

納品までには意外と手間と時間がかかることを考慮しておく

表紙用の絵は、SNS用のアイコン絵とは違い、けっこう描くのに時間がかかるクリエイターが多いのではないかと思います。

今日依頼して3日後に納品などというスケジュールは、基本的に相当厳しいと思ったほうがいいです。そのため、ギリギリに依頼するのはおススメしません(特にイラスト)

絵を描くのにも時間がかかりますが、やり取りにも時間がかかるからです。

修正なしで即納品のSkebは別として、ほかのサービスだと、作った下絵やラフデザインをあなたに確認してもらって、行き違いがないか、イメージをすり合わせてから清書に入っていく場合が多いです。

それに加えて、

  • 投げてもらったメッセを自分が確認するまでの時間
  • 自分の投げたメッセを相手が確認するまでの時間

こういう待ち時間もあります。お互いにすぐに確認できないこともままありますよね。

イライラしないようにするには、

  • 相手が対応可能な時間帯をチェックしておくこと
  • 自分がメッセを見られる時間は伝えておくこと

この辺が大事かなと思います。制作者の稼働時間帯は、制作者のショップのページに書いてあることもありますので、それを見ておくといいと思います。

他者への依頼は、依頼者と制作者のお互いの協力なしではスムーズにいきません。意外と手間と時間はかかる点は留意しておき、こまめな確認を心掛けましょう。

自分の欲しい日に手元に納品物が来るよう、余裕を持ったスケジューリングで、計画的に依頼するのがベター。



作成イメージの資料を付けてあげる

※このステップは、お金を支払う前だったり、支払ったあとだったり、まちまちです。

あなたと依頼先は別の人間なので、2024年時点では、基本的に脳内イメージを共有することはできません。

自分の作り上げて欲しいイメージと、依頼先の制作者の考えているベストな仕上がりは、話し合いをしない限り、おそらく99.9%違います。二者のイメージを一致させていくのが、添付資料です。

制作者に、能力を十分に発揮してもらうために、添付資料はつけましょう。

何を付けたらいいのか? というと、

イラストの場合の添付資料

  • 希望のタッチ・カラーに近い参考用イラスト
  • 希望構図に近いイラスト
  • 描いてもらうキャラクターの外見・服装は詳しく

依頼したいイラストレーターがポートフォリオやSNSで作品を上げている場合は、その中からサンプルを選んでもらえると、受けるほうはイメージがつかみやすいかも。

添付ができない場合は、絵が置いてあるSNSなどのURL指定だけでもたどり着けるので、それでもOKです。

構図も、具体的であればあるほどいいです。

というのも、例えば「推し2人が手でハートマークを作っている構図を描いてほしい」と書いたとしても、どういう方法でハートマークを作っている構図があなたの求めているイメージか、制作者は、もっと具体的に教えてもらわないと、わからないからです。

また、キャラクターの外見はたぶん小説表紙にとって一番大事なところなので、行き違いがないように、伝えしましょう。

小説の魅力をアピールせよと言っているのではなくて、あくまで、そのキャラクターの外見を描くのに必要な情報を淡々と伝えればOKです。

例えば、髪の色、目の色、肌の色、髪型、身長、性別、胸の大きさなどです。

また、服装・小物は、イメージに近い画像があれば、添付してあげるとなおいいです。

なお、資料を検討した結果、これは細かいor難しいので制作時間がかなりかかりそうだ、と、制作サイドに判断されると、断られたり、追加料金が発生するなども起こりえます。

ですので、なるべく簡潔で相手に負担をかけすぎない(=料金相応の)指定がおすすめです。

料金割り増しでもイメージに忠実に描いてもらいたいか、それとも妥協するのか、妥協するならどこを切り捨てていくか、などの自分の中の方針を、あらかじめ決めておいた方が決断がスムーズです。



表紙デザインの場合の添付資料

  • 「この小説の表紙みたいにして欲しい」と思う、自分の完成イメージに近い本を、出版社のHPなどからピックアップして、表紙画像を添付orURL添付。

酷似したものは作れませんが(それをやると盗作になってしまいます)、サンプルが2、3点添付してあるだけで、格段に雰囲気を似せやすくなります。

イラスト・デザインに共通

表紙デザインを頼むわけなので、表紙デザインしてもらう小説の内容は、「軽く」伝えましょう

そうしないと、シリアスな話なのにポップなロゴが仕上がってきたり、和ファンタジーなのにロココっぽい表紙が送られてきたりする事故が無きにしもあらずです。

  • 小説ジャンル(シリアスなのか、コメディなのか、恋愛なのか、などの情報)
  • 舞台としているのはどこの国なのか? 

このあたりの情報は、制作にあたって、制作者が知りたいと思うところかと思います。

奇特な制作者だと、イラストやデザインをする際に、原作小説まで読んでくれる場合もありますが、基本的には、読まずに制作すると考えておいた方がいいです。

そこで、読まなくてもわかってもらえるように、簡潔に小説の内容を伝えておきましょう。



制作契約が始まってからの注意点

NGワード「おまかせ」

このワードは、制作側の感性で自由にやってくれ、というあなたの優しさなのかもしれません。デザインやイラストに詳しくないから、と、要望を遠慮してしまう人もいるかと思います。

でも、じつは、「おまかせで」と、言われると困っちゃう制作者も多いです。

おまかせで丸投げすると、あなたの想像する仕上がりが、制作者と共有できないまま制作に取り掛かることになります。すると、出来上がってくるものは、超高確率であなたの希望の品になりません

そうすると、あなたもモヤモヤするし、修正してもらうとなると、制作者に負担がかかります。

そのためにお金を払っているんだから大丈夫、と思うかもしれませんが、デメリットも多いです。

「おまかせ」のデメリット

  • 修正をかけると、その分、納品の期日は遅れます
  • 無駄な待ち時間の発生
  • 期待に反したものが出来上ってきて裏切られた気分の連続になる
  • 製作者が善意で赤字ギリギリの値段で受けている場合、関係が悪化しがち

最後のは、製作者の料金設定が悪い、といえばそれまでなのですが、制作者として駆け出しだと、どうしても競合に勝つために希望より安い値段で受けざるをえなかったりする事情もあり、無理して安い値段で引き受けている場合もあります。

というわけで、「おまかせで」と頼むのは、お互いにとって不幸です。それなら初めから、制作サイドへ要望は全部伝えておいたほうがスムーズです。

制作サイドとしても、制作物への要望が具体的であればあるほど、ゴールがイメージしやすくて助かる傾向にあります。料金内の要望であれば、ガンガン言ってくれた方が嬉しいです。

最後にもう一回言います。「おまかせ」と言う遠慮はやめて、その道のことがわからなくても、何かしらの要求・意思表示はしたほうがいいです。お前のオールを人に任せてはいけません。

要望はラフ(下描き)までに全部伝えておく

特にイラストは、清書の段階まで進めると修正に時間がかかります。

修正はつらいです。お金をもらっているとはわかっていても、なぜラフまでに言ってくれなかったのだろうか、と、描き手は本当につらいです。デジタルでも修正はつらいので、アナログ絵を清書後に修正しろ、は、おそらく鬼注文です。

そういうわけで、清書後の修正依頼は有料オプションにしているイラストレーターも少なくありません。

追加料金の発生で思ったより依頼料が高くついてしまった、という後悔をしないためにも、要望はラフまでに出し切ることを心掛けましょう

納得するまで無料で修正、などと書いてある製作者もいますが、修正回数は常識の範囲内にとどめた方がよいかと思います。

出している金額にもよるかと思いますが、10回はおそらく常識の範囲を超えています。5回でもだいぶ多めかなと思います。

あまり無茶な修正を頼みすぎると、次に依頼する時に受けてくれないかもしれません。

いくらでも替わりがいる、と思うかもしれませんが、制作者界隈も結構狭かったりするので、こういう困った人がいた、という情報を共有されてしまうリスクもあります。

実際、イラストコミュニティでは、問題のあったクライアントの情報共有をしているところもあります。

どうしても修正をしたい時は

とはいえ修正をかけたいときもありますよね。お金払ってますもんね。

そういうときは、とにかく具体的に要望を伝えるのが大事です。具体的じゃないと伝わりにくいからです。

「おしゃれに」、「センス良く」、「流行を取り入れた感じで」などという、解釈の自由度が高い文言だと、デザイナー・イラストレーターは破裂します。

「この人の制作物好きだし、実績もあるみたいだから、ふわっとした言語でいい感じに作ってくれる」という信頼は今すぐ捨てたほうがいいです。

なぜなら、あなたのおしゃれと制作者の想像する「おしゃれ」が違うからです。そして2人の間のおしゃれイメージの差よって、また修正が発生してしまいがちだからです。

「この部分は赤に変えて、赤の中でもこの赤で(資料添付)」「フォントは明朝じゃなくてこの書体にして(資料添付)」などと、齟齬が生まれにくい言い回しで、正解を伝えてあげましょう。お互いにとっての幸せにつながります。

最短、最速でやり取りが終わるようにするのが、無駄がなくてハッピーです。

誰しも嫌な思いをしたり、無駄な時間は割いたりすることは、避けたいものです。相手のことも考えることで、回りまわって自分の幸福度が増します。

なお、「線入れ後の修正は追加料金」などと明記してあるときは、追加料金の発生を覚悟しましょう。

ああ、今回は突っ込んだ依頼ができなかったな、と思う人は、ちょっと界隈のことを学んでみると、次はもっと鋭く、イメージ通りの依頼ができるようになるかもしれません。

イメージ通りの依頼に近づけるのに使えるかもしれない本の例



まとめ

人は、イメージを言語化・視覚化しないと、絶対にわかり合えないと思ったほうがいいです。小説の表紙イラスト・デザインを頼むときは、資料の添付と具体的な要望を伝えるとお互いにハッピー。

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