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【創作者向け】「海賊」について学べるおすすめ本

海賊について学べる本記事アイキャッチ 創作全般

某大人気コミックをはじめ、海賊って人気のあるテーマですよね。

海賊関連の創作してみたい、わかりやすい解説本はないかなと探している人のために、個人的におすすめの書籍を紹介します。

なお、今回の記事で紹介しているのは、西洋史のガチ勢のための本ではなく、あくまで海賊の基本的なことを知りたい人向けの導入本です。ガチ勢のお知り合いがいる人は、その人に聞いたほうがいいです。



『世界の海賊大図鑑』(ミネルヴァ書房)

『世界の海賊大図鑑』は、全3巻の児童向けの海賊解説本。

え、児童書? って思うかもしれませんが、児童書は対象読者の年齢が低いため、難しい内容もかなり噛み砕いてくれている場合が多いです。わからないことがある時は、力になってくれやすいです。

中でも、この本『世界の海賊大図鑑』は、導入本として個人的にイチオシです。正直、ひとまずこれを読んでおけば、海賊のあらましと雰囲気にはざっくり触れられると言っても過言ではないです。

児童向けなので説明は簡潔なのですが、どういう地域どんな有名な海賊がいたのかを、おおまかに把握することができます。

イラスト入りなので、海賊ってどういう感じなのか、ムードが掴みやすいのも特徴です。

ただしイラストのテイストは細密系ではなくて、ザ・絵本という感じでラフ寄りです。なので、服装や帆船の形態などの細部を知りたい人は、別の資料本に当たったほうがよいかと思います。

内容は、海賊が活躍した事情や、有名どころの海賊が押さえてあります。

この本の紹介文で興味をった海賊や時代背景を、もっと詳細な本で調べてみる、という使い方がベターかと思います。

海賊というと、西洋で活躍した海賊の本が多い中で、この『世界の海賊大図鑑』の3巻目は、村上水軍をはじめ、アジア圏の海賊について書かれていて、そこが特に貴重かなと思います。



『海賊の世界史』(中公新書)

『海賊の世界史』(中公新書)は、上で紹介した『世界の海賊大図鑑』をもうちょっと大人向けに、もうちょっと詳細にした感じの本です。

『世界の海賊大図鑑』を一読したあとの方が理解しやすいです。

なおアジア圏の海賊については載っていません。あくまで西洋・イスラム・カリブ海あたりがメインです。

ヘロドトスあたりの紀元前から、2000年代の現代世界まで、海賊の通史がざっくり載っています。たとえばこのようなエピソードが載っています。

  • ヴァイキングが海賊行為によって国を得るまで
  • コロンブスの新大陸発見によるスペインの隆盛
  • 富を満載したスペイン船を襲うカリブの海賊・バッカニア
  • 一流国入りを目指すイングランド・エリザベス1世の支援による私掠船の横行

などなど、各国の思惑と海賊行為が絡んだエピソードを、ちょこっとずつ垣間見ることができます。

個人的に、この本で最も熱かったエピソード

この本でおおすすめの部分は、p124あたりの、ミゲル・デ・セルバンテスの話です。

セルバンテスは、『ドン・キホーテ』を書いたことで知られる作家ですが、その人生にも海賊が関わっていたようです。

セルバンテスはスペインに帰国する際に海賊に襲われて、5年間も奴隷生活を強いられてしまったそう。お金を持っていると思われて、人質にされたようです。その後も投獄されるなど波瀾万丈あり、58歳の時にやっと『ドン・キホーテ』を書き上げたとか。

このセルバンテスの苦労エピソードを読むと、一見、滑稽な老人の話である『ドン・キホーテ』を見る目も変わってくるかも。

・参考『ドン・キホーテ』(岩波版)



『世界史をつくった海賊』(ちくま新書)

『世界史をつくった海賊』は、イングランド王国時代(イギリス)の海賊の本です。

前半部が特に、海賊について知りたい人向けの内容になっています。

海賊の基本的な暮らし(何を食べていたのか、船には何を積んでいたのか)などに軽く触れたあと、前半部は、エリザベス1世時代のイングランド(イギリス)の海賊にフォーカス。政治とのかかわりが描かれていきます。

  • いわゆる「女王陛下の海賊」であるフランシス・ドレークとジョン・ホーキンズあたりに紙面が割かれています。

なんと、エリザベス1世時代、海賊と国家は蜜月だったとか。どのくらい仲が良かったかというと、海軍将校の娘と大海賊の御曹司が結婚するくらい

エリザベス1世時代のイングランドは貧しく、強国のスペインが富を握っている状態。しかもポルトガル、フランス、イタリアあたりにも気を配らないといけない。

さらに、国内では、プロテスタントとカトリックという宗教性の違いを口実に、スコットランド女王のメアリ=ステュアートを擁立してエリザベス1世を蹴落としたい勢力もいる。

内憂外患な状態だったようです。

でもエリザベス1世には優秀な側近が何人もいて、困難状況を権謀術数によって徐々に好転させ、大英帝国の基礎を築いていきます。その具体的プロセスが書かれている。このへん、乙女ゲーに脳内変換してみるとなかなか楽しいかもしれない。

女王の優秀な側近のひとりが、海賊であるドレーク。ドレークはホーキンズという大海賊の親戚筋で、生まれついての海賊エリート

貧しいイングランドにとって、海賊(によるスペイン船などからの略奪)は、貴重な収入源。この資金で借金を返したり、軍備を増強したり。なくてはならない存在だったようです。

国内では海賊に惜しげもなく費用を出して支援しながら、一方で、海賊行為で迷惑をかけてる国と笑顔で外交する女王の度胸を想像すると、ただ者ではない人物像が浮かんできます。

海賊マネーを諜報戦に大量に注ぎ込み、とうとうスペインの無敵艦隊を打ち破る展開がアツいです。無敵艦隊に勝った後、気を抜いて諜報活動の予算を大幅にカットしたので、そのあとフツーにスペインに負けた、という後日譚もセットでアツいです。

この本、イングランドの諜報戦についても結構詳しく書いてあるので、女王陛下の諜報活動って具体的にどんな感じで行われたのか、とか、どういう人物が関わっていたのか、などを知りたい方も、読むと参考になる部分が多いです。

本の後半では、紅茶、コーヒー、砂糖などの貿易との海賊のかかわりについて触れられています。

紅茶がブームになったのは割と遅い時代で、その前にイギリスの上流階級で飲まれていたお茶は、緑茶だった可能性がある、というトリビアなどを知れます。



補助ツール

海賊史は、各国関係史でもあります。

いろんな国の思惑が絡み合った結果、海賊行為に発展していることも少なくないからです。一つの国だけ見ていてもわからないことが多いんですよね。ですので、海賊やその背景を学ぶには、世界史が、ある程度分かっていたほうが、理解が早く進みます。

「え、世界史とか忘れたし」という人は、以下のような補助ツールを使いながら読むのがおすすめ。

『詳説世界史図録』(山川出版社)

高校の歴史教科書で名高い、山川出版社の世界史図版です。

地図もビジュアル資料も豊富なので、読み物としても楽しいです。しかも大半のページがフルカラーなのに、驚きの安さ。

末尾には各国を縦断した年表が付加されているので、この時代の別の国は何をしていたのか、などをチェックしやすいです。

学校で教えられている歴史は、第一線の研究者からすると、すでに古くなっていることもままあるようですが、一応の通説を知りたいという方には、手に入りやすく良質な資料かと思います。



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まとめ

『世界の海賊大図鑑』は便利なのでおすすめ。あとはお好みで。個人的には、山川の『詳説世界史図録』は、歴史に興味がある人は、手元にあって損はないかなという印象。

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