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妄想コンテスト対策について考えてみた1【BLジャンルは受賞不利?】

妄想コンテスト研究記事1アイキャッチ 各種賞の考察
この記事はこんな方に特におすすめ
  • エブリスタの、超・妄想コンテストに参加してみたい。参加するからには勝ちたい人
  • 妄想コンテストにいつもなぜか入賞できなくて、うんざりしている人

こんな記事を読みに来るあなたは、エブリスタ妄想コン勢であり、結果にお悩みですね?

小説投稿サイト・エブリスタを使っている方はご存じのことと思いますが、このサイトでは、約2週間に1度、「三行から参加できる超・妄想コンテスト」というコンテストが行われています。

このコンテストに毎回参加することを自分に課している熱心な妄想コン勢もいるほどです。コンテスト結果が発表されると参加者は盛り上がります。

さて、この記事では、そんな大人気の、妄想コンテストの難易度と、BL・GLで応募する場合の現状、それでもそのジャンルで応募したい人はどうするか? について、見ていきたいと思います。

以下説明していきます。


三行から参加できる超・妄想コンテストとは

小説投稿サイト・エブリスタで開催されている、短編の小説コンテストです。

約2週に1度、新しいお題が出されます

エブリスタにアカウントを取っているだれでも応募できます

賞金枠(だいたい各1)
  • 大賞3万円
  • 準大賞2万円
  • 入賞1万円

※このほかに、佳作、トンデモ賞、続きが読みたい賞、超短編賞、ピックアップルーキー、優秀作品というカテゴリが存在しますが、これらは賞金が出ません

大賞、準大賞、入賞、トンデモ賞、続きが読みたい賞、超短編賞は受賞すると、作品タイトルの前に、オレンジ色の七宝つなぎマークが付きます。

これは俗にしいたけと呼ばれます。

しいたけを獲得することは熱心な妄想コン勢にとってかなり重要な課題のようです。

また、しいたけのつく賞については、受賞すると選評がメールでもらえます。

しいたけと選評がもらえる受賞枠
  • 大賞
  • 準大賞
  • 入賞
  • 佳作
  • トンデモ賞
  • 続きが読みたい賞
  • 超短編賞

選考結果ページに載せてもらえる作品は、以前はもっと多かったのですが、2024年に減らされて、いまは25よりやや少ない程度です。

これだけ見ると、なんだけっこう受賞枠多いからチョロいじゃんと思うかもしれないのですが、これが、何度やってもかすりもしないので、心折れる人が結構いる賞なんです……

なお、時々、出版社や人物とのコラボ記念回もあり、その場合は賞枠が増える場合もあります。

主な応募要項

当たり前ですけど、実際応募する時は、公式のをちゃんと見てください。この情報は古くなっているかもしれません。

・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。

・文字数は100文字(三行程度)~8000文字

※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。

※非公開設定している作品は、選考対象外となります。

※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。

エブリスタHPより

ミスしやすい点は、「本コンテストの応募期間内に新規公開された作品」という部分。公開日を間違えてしまったら、上げ直しする必要があります。

また、一度落ちたものを使いまわしてもOKという話ですが、その際も没作をそのまま送るのではなく、新規作成してそこにコピペする必要があるみたいです。(おそらくですけど没作は改稿して出して、というニュアンスなのかも。)




なんで自分の作品が載ってないの!

結果発表が終わって、また作品掲載されなかった、と心折れる人も少なくありません。

というかそれが応募者の9割の声です。

例えば、第169回「また、会えたね」の応募数は786作。妄想コンテストは大体、500~600作以上は軽く応募があるようです。

賞金枠は基本的に3。

ここに入れるのは1%以下ですので、大変熾烈な争いです。

これは場合によっては、出版社が年に一回開催している文学賞の一次選考や、二次選考よりも倍率が高いです。

そういうわけで、いわゆる公募の出版社開催賞でいいところまで行っている人や、プロ作家が応募したりしても、妄想コンでは普通に落ちているのを見ます。

じゃあ妄想コン受賞常連が外部で結果を出しているのかというと、逆に外部賞では成績が上げられない、という人も見ます。(どっちも結果を出す人もいますが)

そういうわけで、ある程度他の公募で実績のある人でも、妄想コンがwebで隔週行われているお手軽な賞、とナメてかかると受賞が遠ざかるのは間違いないです。

しっかり傾向と対策を取るのが大事になってきます。取っても選考者との相性が悪ければ、「え、なんでこれが落ちてそれが通るの……?」といち下読みのサメダとしては疑問に思う高クオリティの作品でも落ちるんですけど、対策取らないよりはましです。


BL、GLで応募する際の現状

第199回の妄想コンで、BLジャンルから大賞が出ました。

こうあえて赤字で書くのは、それ以前はなかなかBL、GLの作品は選出されなかったからです。

196回「また、会えたね」から183回「演じる」まで、15回分の賞を遡って調査したところ、BL、GLジャンルからは、一度も賞金圏に入った作品がありませんでした。

それが、2023年の中盤あたりから、BL、GLでも、選出される数が増えてくる傾向が出てきました。とくにBLに関しては、受賞常連の作品を中心に選出数が多くなり、2025年現在、BLでの入賞作は、珍しくなくなっています

2年ほど見てきただけの私見ですが、この賞は、まず常連が表現のギリギリのラインを攻めた道(例えばBL)を切り開いて受賞を勝ち取る→だんだん非・常連でもその表現手法で受賞できるようになっていく、という印象があります。

エブリスタは比較的BLが強くて、BLのコンテストも何回か行われています。直近だと以下のコンテストがありました。

GLでの受賞はまだちょっと少ないかな……という印象です。

ノベルアップは2025年までに2回、百合のコンテストをしていますし、pixivも百合文芸を5回と百合漫画原作コンを1回、カクヨムも2025年に百合コンをしているので、百合は妄想コンに送るより(特にドロドロした激重感情のものは)、百合向けの賞に送ったほうが期待値が高いかもしれません。

関連記事こちら↓


どうしてもBL、GLで勝負したい人へ

近年BLでの受賞は珍しくなくなりましたが、それは基本的に、過激表現ナシのものです。

受賞作が収録される可能性がある5分シリーズが、児童書ということが大きいかもしれません。

過去に、過激表現のBLで優秀賞を取った作品もあるのですが、上位賞狙いとなると過激表現ものは厳しい印象です。

5分シリーズ収録作と最近の妄想コンのBL、GL受賞作を読んで、どこからが表現的に良くて、どこからがまずいのか、よく研究することをおすすめします。

特に、発行年が新しい本ほど、近年の傾向がつかみやすいかと思います。

新しい本だとこの辺です。

5分シリーズ近刊の例

『5分後に不幸なバッドエンド』・『5分後に幸せなハッピーエンド 』2023/2/23刊

『5分後に恋にサヨナラのラスト』2023/7/13刊

『5分後に不気味なラスト』&『5分後に泣き笑いのラスト』2024/6/24刊

5分シリーズは、巻数が40を超えてきたそうで、似たようなタイトルの本が出ていることも多いです。

似通ったタイトルで、何度もその辺をこすってきているのであれば、それは人気の要素だから何度も使っているということではないでしょうか。

そのへんの内容に寄せて書くと、拾い上げられやすい傾向にあるのかも?(責任は取りません)

5分シリーズのどれを買うか迷ったら、ホラー系か青春で、刊行年が新しめのものがおすすめです。ホラー系はけっこう妄想コンでも受賞している印象があります。

参考記事こちら↓




何度やっても落ちるあなたに

受賞常連がいる一方で、何回応募しても落ちるので応募をやめた、というつぶやきをSNSで散見するのも、この賞の特徴です。

これは受賞して当然だ、と思う作品もあれば、思っても見ない作品が賞に上がることもあります。

そういうわけで、傾向と対策を取っても落ちる場合は、あなたの作風がそもそもこの賞に向いてないのかもしれません。どの賞もそうなんですけど、選考者の感性と合わなければ落ちます。

じゃあどうすればいいのかというと、おすすめはしばらく(1年くらい)応募をやめることです。

どうやら選考者は時々変わるという話があり、もしそうなのであれば、選考者が変わった状態で再チャレンジしてみるとチャンスがあるかもしれません。

どの賞もそうですが、向き不向きがあります。

傾向と対策を取ったうえで、5回くらい作品を投げれば、現在の妄想コンが自分に向いているかどうかわかるんじゃないでしょうか。

そのくらいやって賞にかすらなければ、いったんあきらめてもいいのかなと個人的には思います。たぶん現在の選考者から求められているものと違うんだと思います。

なお、何度も応募すると、受賞しやすくなる、という受賞者の意見もあります。挑戦をづづけるかはお好みで。

何度も落ちると精神衛生上よくないと思う人は、別の賞に行くのも一考です。

妄想コンでボツった作品を外部公募に投げて結果を出した、という人もいるので、相性ってあるんだと思います

サメダ
サメダ

エブリスタにいると、妄想コン勢も多いですし、話題にも上りがちです。妄想コンに挑んで自分だけ賞が取れない場合、自分の作品に価値がないと思ってしまうかもしれません。ですが、自作品が受賞者のそれに比べて劣っていると、あまり思いつめるのはやめたほうがいいです。まずはいろんな賞を試してみてください

ほかの短編賞の例(頻繁に開催するもの)
ほかの短編賞の例(年一開催の賞)

なお、webの誘惑に負けて創作をさぼっちゃう人は、執筆しかできないツール・ポメラがおすすめ。


まとめ

妄想コンテストをBL・GLで賞を取りに行くなら、過激表現は控えて。

このシリーズの別記事はこちら↓

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