- 短編小説を書くメリットは何なのかを知りたい人
- 短編と長編どちらを書くのが有利なのかわからない、と思う人
結果を出したいならそもそも短編か長編かという問題ではなく、自分の作品と賞が求める内容が一番マッチしたところに送ればいいと思うのですが、
それはそれとして、今回は下読みもするサメダが、短編公募をする良さについて考えてみました。
短編とは?

これが短編の枚数、と厳密に決まっているわけではありません。
出版社や投稿サイトによって違います。応募するときは、応募先の規定に合わせてください。
例えばこのくらい違います。
- 原稿用紙25〜30枚(オレンジ文庫の短編小説新人賞)
- 400~1万字(カクヨムコン短編)
- 「1〜3万字程度の短編小説」(零合舎の募集要項より)
短編を書くメリット
短編を書くメリットは、以下のような例があげられます。
- 忙しくても取り組みやすい
- 同じ時間で、長編よりたくさんの公募に応募できる
- 売れ筋でなくても技術力が高ければ評価されやすい
- 短編を書き慣れていれば、アンソロジーに呼ばれた時も安心
順に見ていきます。
忙しくても取り組みやすい
長編を書くのは、仕上げるまでに、時間がかかりがちです。
ほかの生活が忙しい場合、なかなか着手しにくかったりしますよね。
着手できても、思うように捗らなかったり。
進捗が滞りがちだと、創作のモチベーションも上がりにくいものです。
これを書くと、短編書きガチ勢にすごく怒られるのですが、長編と短編どっちが大変かというと、長編のほうが時間と労力がかかるのはおおむね間違いないです。
その点、短編は埋めなければいけない文字数が少ないので、気軽に挑戦しやすいです。
小説ビギナーは、まず短編(か掌編)へのチャレンジがおすすめです。
また、長編執筆の息抜きにも、短編執筆はおすすめです。
同じ時間で、長編よりたくさんの公募に応募できる
公募で結果を出すには、とにかく応募数を増やして期待値を上げるのが効果的です。
一年に書ける文字数は決まっていますが、その文字数で、短編を10本書いて応募するのと、長編1本にして送るのとでは、結果を待つ楽しみが単純に10倍違います。
また、落選時は改稿して別の賞に送ると思うのですが、その時も、ストックしている作品が多いほうが、たくさんの賞に同時にチャレンジしていきやすいです。
売れ筋でなくても技術力が高ければ評価されやすい
短編の賞は、長編より1回の賞における受賞数が多めなことも魅力かと思います。
その代わり、短編でプロになれる賞はほぼないですが……。
これは、いち下読みの主観ですが、プロデビューの期待がほぼない分、短編は、受賞させる作品を選ぶにあたり、「流行の要素が入っているから」「売れそうだから」「作者の経歴の宣伝価値が高そうだから」などの要素をあまり考慮しないケースも多いように感じます。
売れ線かどうかよりも、いわゆる作品の技術力や実力に注目して採用してくれやすいのは、どちらかというと長編より短編かなという印象があります。小規模賞だとその傾向が特に強い気がします。
流行りものが書けないけれども技術が高い人は、短編を書いて、応募してみるのも一考です。
短編を書き慣れていれば、アンソロジーに呼ばれた時も安心
イベント向けに、小説アンソロジーを作るクリエイターも少なくないです。
アンソロやってみたい、呼ばれてみたい、と思っている人は短編のスキルを上げておくと、いざというとき安心です。
アンソロは短編・掌編の寄稿を求められるケースが多いからです。
短編を書くデメリット
短編を書くデメリットは、以下のような例があげられます。
- 短編ばかり書いていると長編の書き方を忘れがち
- 短編公募は応募数がとんでもなく増えがち
- 単著デビューを目指すなら長編ルートのほうがメジャー
順に見ていきます。
短編ばかり書いていると長編の書き方を忘れがち
短編執筆に使う能力と長編執筆に使う能力は、重なる部分もありますが、けっこう違いますよね。
短編を書いていると、短い分量でまとめ上げる能力やオチをひねる能力は高くなっていきますが、長編は短編を引き延ばしたものではないはずです。
短編専門書きでなければ、長編執筆のスキルの維持に、たまには長編創作も取り組んでいきたいものです。
最悪、書かなくてもいいので、長編小説を読んだり執筆ノウハウを読んでみたりすると、長編的アプローチからの短編攻略などが見えてきて、表現の引き出しが増えそうです。
短編(や掌編)公募は、応募数が増えがち
短編や掌編は、長編よりも書くのに時間がかからないので、参入ハードルが低いです。
そのため、名の知れた短編賞ですと、応募数がとんでもないことになりがちです。
思い立ったその日に書いて応募する人から、短編で賞を取りまくっている猛者までが乱戦で殴り合うのが短編の特色です。
- 第22回坊っちゃん文学賞(作品数:9,900点・応募者数:6,642名)
- 第13回日経「星新一賞」(一般部門1,923作品、ジュニア部門184作品、計2,107作品)
- 第1回「5分後に意外な結末」大賞(公式HPによれば約5000通)
- 超妄想コンテスト「雲」(作品数:621)
- カクヨムコンテスト10【短編】(作品数:17,956)
単著デビューを目指すなら長編ルートのほうがメジャー
短編で受賞すると、運がいいと短編集などとして発売することもあります。
ただ、短編で単著デビューできるかといえば、そういう機会のある賞は、とても少ないです。
現状やはり、
長編を書いて賞を取る・あるいは拾い上げ→単著デビュー
が、最もメジャーなプロへのルートかと思います。
そういう方向を目指したいのであれば、やはり長編も並行して書いていくことをおすすめします。
まとめ
短編の良さは気軽に書けること、同じ量を書くとしても、長編より作品のストックを早く増やしていけること。
短編のデメリットは、短編を受賞しても単著でデビューすることは非常に難しいこと。
それはそれとして、今回は下読みもするサメダが、短編公募をする良さについて考えてみました。














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