・渾身の百合作品を書いた(描いた)のでどこかに送りたい
・百合小説賞に落ちたので他に応募先を探している人
百合(ガールズラブ)を扱った作品は、そもそも、公募も少ないです。
年に数度ある、小説投稿サイトでの百合小説賞に応募できるくらいでしょうか。
でも書き上げた百合小説、漫画が、本になったらいいなと思ったりしますよね。
そんな百合書き(描き)のために、百合小説・漫画を随時募集している出版社を探してみました。
あまり多くないですが、ご参考になれば。
ここに記載してある情報はすでに古くなっている可能性もあります。応募する際は、必ず各社の公式サイトから最新の応募要項を確認してください。また、応募先出版社の本、マンガなどに多少は目を通して、傾向を掴んでからチャレンジすることをすすめます。
百合小説を随時募集している出版社
零合舎・雑誌『零合』のための作品募集
零合舎は、半年に一度締め切り、百合文芸誌『零合』用の作品を募集しているようです。
『零合』は、2023/02/14に創刊したばかりの、百合総合文芸誌です。
・零合(創刊号)
また、それ以前に、『殺伐百合アンソロジー』(電子書籍)も発行しており、一迅社の『百合姫』とは、ちょっと毛色の違う百合を目指しているのかな? という個人的印象です。ただ全体的に現代ものが多いのは似ています。
※一迅社の『百合姫』に掲載される、百合文芸小説コンテストは、残酷描写が禁止と明記されています。
・殺伐百合アンソロジー(現在電子のみ)
『零合』がどのような作品を求めているのか、以下、募集要項を抜粋しました。
・専門誌『零合』(以下、「小誌」)掲載に相応しいもの。 日本語でかかれたオリジナル作品、プロアマ問わず。
・主として、1〜3万字程度の短編小説、または連載用の中編・長編小説。
・連載は最大3回迄の分量とし「分冊前提」の超長編は扱わない。(上限15万字目安)
・中編(3万字以上)の場合も編集部判断により一挙掲載を行う可能性あり。
・ノンシリーズで原則「1冊」の分量が好ましいが、各巻で独立したシリーズ物は要検討。
零合舎・原稿募集サイトより
あまりに長すぎる小説は、基本的にNGの様子です。
web小説だと連載が長くなりがちなので、この辺、注意かもしれません。
また、
・原稿はプレーンテキスト(.txt形式/ルビは青空文庫注記形式)で小社規定のフォームから送付。
零合舎・原稿募集サイトより
青空文庫注記形式というのは、
基本的に、ルビを振りたい文字のあとに、ルビにしたい文字を、《》でくくって書きます。
詳しく知りたい方はこちら
ところで、ちょっと変わっているなと思う要項は、これです。
・同人誌・Web等での発表作品は、初回公開日・完結日のいずれか遅い方を基準とし、 「12ヶ月の末日を経過後」のみ応募可。(連載中・未完は原則として不可)
零合舎・原稿募集サイトより
web掲載作は、作品を上げて一年以上過ぎていないと応募不可のようです。
他の注意点としては、
この原稿募集に応募する際は、X(twitter)のアカウントが必要
そのアカウントと紐づいた応募ページに、採用、落選の通知が来ます。
※Xのアカウントを持っていなくても応募自体はできるとは書いてありますが、あったほうが、応募先の負担が減るんじゃないかと思います。
なお、選考の進み具合は、X上で随時報告してくれる場合が多いです。公式と編集長のアカウントをフォローしておくと、いろいろわかることもあるかも。
・ログイン状態のマイページ(参考)
この「状態」のところが、選考が進むにつれて、「選考中」、「落選」などに変わります。
零合舎・作品随時募集
また、零合舎は、上記の定期的な募集とは別に随時、作品の受付を、メールフォームから行っているようです。
持ち込みはプロ作家、アマチュア作家を問わず受け付けてくれる様子。
作品持ち込みには、企画書が必要なようです。
問い合わせたところ、ここでいう企画書というのは、
「梗概=あらすじよりも粒度の細かい、起承転結や主要人物の設定がわかる物(プロット・箱書き等)」
だそうです。
ほか、注意事項としては、
連載枠=一挙掲載の難しい5万字以上の長編は、紙媒体の掲載ハードルが高くなります。特に全2回に分割できない枚数の場合、『零合』でなくWeb連載枠で検討となる可能性が高い点、予めお伝えします。
だそうです。
また、この企画持ち込みに際しても、同人誌・Web等での発表作品は、初回公開日・完結日のいずれか遅い方を基準とし、 「12ヶ月の末日を経過後」のみ応募可。(連載中・未完は原則として不可)というルールが適用されるそうです。
この記事に載せた要項は抜粋なので、本気で応募を検討される方は、公式のQ&Aを読むか問い合わせをしてみるといいと思います。
なおこれは、著者の考えてみた、雑誌『零合』の傾向記事です。あくまで主観です↓
愛中出版・GL文庫編集部
この出版社の最大のヒット作は、『私の推しは悪役令嬢』という百合作品です。
雑誌『百合姫』にてコミカライズされ、2023年にアニメ化。
ざっくりあらすじを書くと、ゲーム内に転生した主人公が、推しだった悪役令嬢に出会えた喜びで、彼女とわちゃわちゃします。
コミカライズ版↓
Xの公式アカウントも、『私の推しは悪役令嬢』一色といった様子です。
その反面、長いこと他の新作は出ていないようです。最新の出版作も、上記作品のスピンオフです。
そのようなわけで、
持ち込み作品募集のページはありますが、機能しているのか不明
と言わざるを得ないです。
それでもご興味がある方もいるかと思うので、念のため要項を貼っておきます。
プロとアマチュアで募集要項が違うので、自分があてはまるほうの応募要項を確認してください。
□受賞経験のない方
1、5万文字以上15万文字以下の完成原稿をテキストデータで応募して下さい。
2、データ作成の際には、段落ごとの1字下げを行い、―(ダッシュ)…(三点リーダ)は二個繋げた形で使用してください。
キャラクター名や特殊読みをさせたいものにつきましては、初出時のみふりがなを括弧内に書いてください。作品冒頭にまとめて書いていただいても構いません。
3、各種同人誌、小説サイト等で連載している作品の場合、未完の状態でも受け付けます。
その際は、規定文字数以内で区切りをつけて応募して下さい。
愛中出版株式会社・GL文庫編集部・作品募集ページより
アマチュアの場合は、完成原稿が必要なのがポイントです。
未完の状態でも受け付けてくれるのがうれしいですね。
□受賞経験のある方
下記の物を用意し、応募して下さい。
1、作品のキャラクター設定
2、作品のプロット。
3、受賞経歴及び過去に出版した作品の一覧表
4、文章のサンプル(3000文字程度)
テキスト、ワード、エクセル、一太郎、PDF形式のファイルを受けて付けています。
愛中出版株式会社・GL文庫編集部・作品募集ページより
プロの方は、完成原稿が不要のようです。一定の信頼があるからでしょうか。
通知に関して
※各種連絡はメールでの連絡となります。
愛中出版株式会社・GL文庫編集部・作品募集ページより
※選考には1~2か月程度かかる場合があります。
だそうです。
もっと詳しく知りたい方は、詳しくは公式のQ&Aを読むか問い合わせをしてみるといいと思います。
『ガレット』の「140文字の百合」の募集
『ガレット』は、ガレットワークスが年4回のコミティアに合わせて発行している、自主制作の百合コミック誌。小説も載っている。
資金調達はクラウドファンディングを採用し、有志で運営されている様子。
作家の募集はしていないようですが、公式サイトで、「140文字の百合」という投稿を募集しています。採用作は『ガレット』本誌に掲載。
文字通り、規定文字数が140字の、超短編のストーリーを求めているようです。
規定↓
※新作・未発表であること※百合を感じられる文章であること
ガレット公式HPより
※連作可能(例:140文字×2話など。あまり長いものはNG)
※①作品①メール送信でお願いします。連作の場合は分けて投稿してください
※オリジナルストーリーでお願いします(2次創作不可)
連作が可能なので、必ずしも140字でないといけないわけではないところが嬉しいかもですね。
公式サイトの投稿フォームより応募する方式のようです。
・参考『ガレット』29号↓
百合マンガ随時募集の出版社
一迅社・『百合姫』編集部
一迅社の『百合姫』は、2023年現在、日本唯一の百合マンガ専門雑誌です。
pixivと組んで、毎年、百合文芸コンテストも開催していますが、常時募集しているのは、2023年8月現在、どうやらマンガのみのようです。
・未発表のオリジナル百合作品に限る。
・プロ・アマ問わず。
・ストーリー漫画→8p以上
・4コマ漫画→8p以上
・原稿返却を希望の場合は、原稿が入るサイズの返信用封筒に必要分の切手を貼り、郵便番号・住所・氏名を明記の上、同封。
・営利を目的としない個人のwebサイトでの掲載作品は、原則として未発表とみなす。
・FAX、メールでの投稿はNG。
百合姫・原稿募集のページより
『百合姫』編集部への持ち込みは、電話で予約が必要のようです。
マンガは、出版社に持ち込みに行くと、編集さんから貴重なアドバイスを受けられる場合も多いと聞きますので、出版社が集中している首都圏に住んでいるなら、持ち込みはおススメです。
百合姫編集部への持ち込み注意点としては、
13:00~19:00の間にお電話頂くと、比較的つながりやすいです。
お電話頂く日より、最低でも1週間後以降の日時で設定頂きます。
月末~月頭は校了期間となり、予約をお受けしかねる場合がございますのでご了承ください。
百合姫・原稿募集のページより
だそうです。
詳しくはこちらの公式を見てください。
なお、『百合姫』は、現代を舞台にした作品が比較的多いです。
百合姫で個人的におすすめなのはこちらのマンガ
・今日はカノジョがいないから(1) (百合姫コミックス)
女子学生の三角関係が、繊細な線画で表現されていて美しいです。絵がすこぶるきれいなのに、内容は、決してさわやかでなく毒が満載という、非常に味わい深い作品です。
※百合文芸コンテスト記事はこちら
まとめ
ほかに募集をかけているところをご存じでしたら、教えていただけると幸いです。
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