こんにちは、わりと公募好きのサメダです。
累計獲得賞金は、2017~2024年で160万くらいです。1回1回の賞金は多くないのですが、あちこちで賞をいただいているので、多少汎用性のある記事になっているかなと思います。
ところで、公募(コンテスト)にいくつも参加する場合、
何の賞に応募したっけ?
ですとか、
どの作品を公募に投げたんだっけ?
などと混乱してくる場合がありませんか?
公募のスケジュールを把握できていないのは、実はかなりリスキーな状態です。
この記事では、スケジュール管理をしないと何がリスキーなのか、公募勢ならではのスケジュール管理戦略などについて書いていきます。
スケジュール管理をしないデメリット
二重応募のリスクが高まる
二重応募というのは、作品応募した賞の結果が出ていないのに、他の賞に同じ作品を送ることです。
大抵の賞が二重応募を禁止しており、これを破ると、作品が無条件で失格になる場合が多いです。
二重応募すると、今後応募してきても一切作品を採用しない、と明記してある賞もあります。
うっかりミスだろうが二重応募になってしまうと、競争のスタートラインにすら立てません。
そのため、公募スケジュールは、アナログでもデジタルでもいいので、何らかの方法で確実に管理しておくことが大切です。
締切ぎりぎりに応募するとミスをケアしにくい
スケジュール管理を怠ると、狙っている公募の締め切りを把握しきれずに、応募が締め切りギリギリになったりしがちです。
焦りはミスを誘発しがちです。
web応募の場合、違うデータを投げてしまったり、タグをつけ間違えたり。
郵送の場合は、プリンタのインクがちょうど切れていたり、締切日に間に合わせるために速達料金がかさんだり、料金や宛先が違っていて返送されて来たり。
慌てているときほどトラブルが重なりがちです。
締め切りの1週間くらい前には、作品を投稿しているのが理想かなと思います。
スケジュール管理のメリット
タスクの優先順位をつけやすくなる
やることが多すぎて何から手を付けていいのかわからない、という状況になったこと、ありませんか?
そういう時こそ、手帳などに予定を書き出すことによって、その日やるべきこと、迫っている締切などが整理され、視覚化されます。
また、公募と本業のスケジュールと同時管理することで、自分の可処分時間が把握でき、効率よく両立させやすくなります。
締切よりずいぶん早く応募した時に、その企業から別件で追加制作のお仕事をいただけたケースもあります。余裕がチャンスにもつながる場合もあります。
公募スケジュール管理のコツ
応募した作品、締切日、結果発表月は押さえておく
スケジュール管理に紙手帳を使うか、アプリを使うかは、お好みです。
著者は、月の予定が一見して把握しやすいマンスリー手帳を使っています。ただ、創作ネタ帳としても使いたいなら、ウイークリーやデイリーの分厚さも魅力かなと思います。
一方、アプリだとリマインド機能がある場合も多いですし、移動するときも負担にならないので、デジタル管理にも一定のよさがあると思います。
ただ当然のことなんですけど、電源が切れると閲覧できないところが、ややデメリットかなと思います。
スケジュールで真っ先に記入した方がいいと思うのは、応募する公募の締切日と、応募作タイトル、応募した公募の結果発表日(あるいは月)です。
公募スケジュール管理は、これらを入れないことには始まらないと言っても過言ではないです。
続いて締切日から逆算して、どの時期から作業に着手して行かないと間に合わなくなるのかを考えていきます。
一方、応募作タイトルと公募発表日を把握するのは、上に書いた二重応募を避けるためでもあります。
落選した瞬間、その作品はどこに送ってもOKになりますよね。その作品を次の公募に投げるなら、少しでも推敲の時間の余裕が欲しいかと思います。
そのためにも、気づいたら結果発表日から随分過ぎていた、という状況になるのは避けたいところです。
小さなステップに分けて締切を管理
賞の締切日を把握するのはマストですが、それだけだと不十分です。
初稿はこの日までに上げる、推敲はこの日までに済ませる、など、完成までのステップを細分化してスケジュールに記入します。
スケジュール管理を始めたばかりの場合は、予定が守れないこともままあると思います。それでも、とりあえず進捗だけは書き入れて行きましょう。
そうすると、どこのステップで遅れたのか(=自分はどのステップに時間がかかりやすいのか)が、見えてきます。
次からは、そのステップにもっと余裕を持たせたスケジュールに組み直して行けば、だんだん、無理のない制作計画が立てられるようになってきます。
創作のステップを細分化するのは、すぐには解決できない大問題を、細かい目標に切り分けて、達成しやすくするのと同じです。
いきなり、半年後に原稿用紙換算400枚の小説を書き上げて応募する、という目標だけを立てても、達成しにくいですよね。
×日までにテーマを考えて、×日までに下調べを済ませて……というように、今日は気が乗らないなーと思っても、このくらいなら達成できるかな、と思えるタスクに切り分けることで、最終的に大目標の達成に繋がります。
時々スケジュールを振り返って調整
ちょっとのんびりしすぎかな、くらいの、余裕を持ったスケジュールを立てるのがおすすめです。
人生何があるのかわからないので、あんまりみっちり詰めると、調整が効きません。
また、時々スケジュールを振り返り、自分のこれまでの公募足跡を確認します。
別に一次落ちが続いていたって落ち込むことはありません。それは過去の自分にすぎないですし、そこから改善点を見出して行ければよいだけです。
たとえば、公募足跡を振り返ることによって、「このジャンルに何回も応募してるけど、箸にも棒にも引っかからないな」と思えば、応募ジャンルを変えてみたり。
最近インプットが足りてないなと感じれば、創作は一休みして、商業エンタメを研究してみたり。
この公募振り返りが、PDCAを回すことに役に立ちます。
何PDCAって、と思った方は以下をご覧ください↓
PDCAやOODAを導入し、戦略的に公募入賞計画を進める
PDCAとは、
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善行動)
の業務改善サイクルのことで、1990年代ごろから、ビジネスシーンを中心に使われるようになったワードのようです。
ざっくりいうと、
- Plan(目標を具体的に設定する)
- Do (その目標を実行しながら、より良い方法を検討する)
- Check (目標が達成できているかを確認)
- Action (目標の進捗や効果を確認して、続行、改善、中止などを行う)
を繰り返すことです。
このPDCAサイクル自体は、ありふれたものですが、それを意識的に回していくことで、目標達成に繋がりやすくなるみたいで、大企業でも取り入れられている考え方です。
公募にもPDCAサイクルを導入することで、公募での課題や目標の洗い出しがしやすくなり、無駄な努力を避けやすくなります。良い作品を作るのに向いている感じの理論なのかな、という印象です(※これは私見です。正しくは解説書を読んでください)。
一方、PDCAを発展させた概念に、OODA(ウーダ)ループがあります。
OODAとは、
Observe(観察)→Orien(状況判断・仮説構築)→Decide(意思決定)→Act(実行)
というループを繰り返すことで、迅速な判断と対応を行いやすくする理論です。
- Observe(戦う対象を観察して認識)
- Orien(観察結果から状況判断、仮説を立てる)
- Decide(具体的な対処方策を決定・情報が不足なら1に戻る)
- Act(意思決定を実行に移す)
PDCAが目標達成重視の長期型ならば、OODAは観察と状況判断重視のスピード型です。
もし賞レースにOODA(ウーダ)を導入するとしたら、具体的なライバル(人や賞)を定めて徹底的に観察し、それにどう対応して自分を優位にするかを考える、みたいな感じじゃないかと思います(※これは私見です。正しくは解説書を読んでください)。
PDCAとOODA、自分が得意そうな方を使ってみるのがよいかと思います。
誰もがしたほうがいいとわかっているものほど、実行するのが難しくてできなかったりしますよね。PDCAやOODAも正しく回せるならよいですが、自分だけでやっていると破綻してしまうこともあります。
そういう場合は解説書も役に立つかもしれません。
・『弱くても最速で成長できる ズボラPDCA』(すばる舎)
この本はPDCAサイクルの初心者向けです。
ズボラでもできる、っていうハードルの低さが、とっつきやすいですよね。
自分に厳しくしていれば結果が出るというわけでもない公募の場において、こういうユルさは、つねにどこかに持っていたいものです。
・『図解ポケット OODAがよくわかる本』(秀和システム)
OODAループの本はビジネス向けが多いので、合いそうなのを自分で探して欲しいのですが、この図解ポケットシリーズは、さまざまな分野の導入書として比較的わかりやすいので、これを貼っておきます。
まとめ
公募スケジュールを管理してPCDAサイクルやOODAループを回しやすくしよう。
次回のガチ公募シリーズ記事は、公募という闘技場で、心折れずに長く戦い続けるためのコツは何か、という内容について書く予定です。
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