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オール讀物新人賞 の直近回を分析してみた

オール読物の研究記事アイキャッチ 各種賞の考察

オール讀物新人賞 は、 株式会社 文藝春秋が発行する小説誌『オール讀物』の公募新人賞です。

1952年から開始された歴史の長い賞なのですが、101回より、時代・歴史ジャンルオンリー(短~中編)の賞になりました。

歴史・時代の賞は少ないので、応募してみたい人も多いかと思います。

101回からのバックナンバーを読んでみて分かったことを、備忘録的に書いてみました。

この記事は、公式様とは何の関係もないです。応募するなら公式サイトで最新情報を見てくださいね。また、こういうタダで落ちてる情報を、あまりあてにしないでください。

『オール讀物』とは?

公式HPによれば、

50-80代を中心に会社員、公務員、自由業など幅広い読者層を抱えるエンターテインメント小説雑誌。」

だそうです。

賞の選考委員も、この年齢層に入っている方だという印象があります。

受賞状況

開催年開催回応募数受賞タイトル受賞時年齢
2021101992「装束ゑの木」56
2022102827「盟信が大切(かみかけてしんがたいせつ)」19
2023103664「かはゆき、道賢」??
2024104783「佐吉の秩序」??

  

2022年(102)回は、19歳の方が受賞しているのですが、1952年に創設して以来、10代の受賞者は史上初だったようです。

この賞は、わりと年齢が行っている方でも受賞実績がある賞のようです。

受賞時の写真を見る感じだと、2021-2024年の受賞者は男性のようです。



受賞作品の舞台は?

各年の受賞作の舞台は以下のようになっています

開催回作品の舞台
2021(101回)日本-明治
2022(102回)日本-江戸
2023(103回)日本-室町
2024(104回)日本-戦国

この賞自体は、どこの国の歴史もので応募してもOKみたいです。

最終選考には、海外の歴史ものも上がってきている年もあるみたいなのですが、2021-2024年は、すべて日本が舞台のものが受賞しています。

これ書いている人は日本史に明るくないのですが、ざっくり書きますと、

2021年は明治が舞台。「狐狗狸さん」と産業発展を絡めた作品。

2022年は江戸が舞台。鶴谷南北の謎多き演目『盟三五大切』の誕生秘話。

2023年は室町が舞台。心根の優しい義賊が主人公。

2024年は未読ですが戦国みたいです。自分で読んでみてね。

賞研究の参考になりそうなもの

『オール讀物』、オール讀物新人賞 の発表号(2023年までは11月号 ※2024からは11・12月特大号)が参考になるかと思います。

上記の号では、受賞作が全文掲載されている上、最終選考に残った作品たちの、講評が読めるからです。

そもそもこの11月号は、小説家になりたい人のための特集が毎年組まれている様子で、そういう意味では、この号は小説家志望者向きと言えます。

書影貼っておきます。

2021

2022

2023

2024

この各年の11月号(11・12月特大号)のなかでも、最終選考の講評部分は、かなり参考になります。

最終選考委員(作家)が、応募作のどういう点を評価して、落としたか、選んだか、みたいなものが、かなりはっきり書いてあります。

この講評を読解して応募作をブラッシュアップさせるといいかもしれないですね。

ただ、最終審査対策をするのもいいですけどそれに至る前に、下位の選考を2回抜ける必要があるので、その辺の対策は各自自分で考えるしかありません。

また、webメディア「本の話」さんに、この賞について参考になる記事がいくつもあります。


応募するならぜひ読みたいインタビュー記事

個人的に読んでみて、オール讀物新人賞 について理解が深まったのでおすすめしたい記事を紹介します。

それが、『オール讀物』2021年の11月号の中のコラムです。

オール讀物新人賞 は、短編~中編という書きやすいボリュームのためか、応募数が多いです。かつ、受賞枠が1の時が多いので、この賞を射止めるのは至難の印象です。

そして、その先も結構大変な様子。

『オール讀物』2021年の11月号には、「新人賞から本当のサバイバルが始まる」という、受賞者の桜木紫乃さん(H14受賞)のインタビュー記事が載っています。

こちらを読むと、『オール讀物』で新人賞は取れたものの、単行本を出すまでに5年かかった、という苦労エピソードが沁みます。

この記事は、タイトル通り、賞を取ってからが勝負、ということをリアルに教えてくれるので、応募者はぜひ読んでみるといいかも。

短い記事なのですが、受賞から単行本デビューまでの労苦が、ぎゅっと詰まっていて読みごたえがあります。

小説賞ってなかなか取れるもんではないので、受賞した人を激しくうらやましいと思ったりもしますよね。

でも、この記事を読むと、どのステージの人も、そのステージの人なりの悩みがあることがわかります。

また、新人賞を取ることに人生をかけすぎることのリスクなどをリアルに感じられ、学びの深いインタビュー記事になっています。

なお、5年間苦労されて、やっと出せた単行本がこちらのようです。

『氷平線』



規定文字数超えちゃったなという人向けの賞

オールに向けて書いていたけど、しまった、規定文字数をオーバーしてしまった。

どうしても削りようがない、という方は、長編賞へ転向してみるのも一考。

この賞などは、過去に時代小説での受賞があります。






まとめ

オール讀物新人賞 を研究してみるなら、受賞作が全文載っている『オール讀物』11・12月特大号(合併号)がおすすめ。

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