- エブリスタはやってるけど、違う小説投稿サイトにも進出してみたい人
- カクヨムのことが気になっているけど、エブリスタとはどう違うの? という人
小説サイトってたくさんありますよね。

でも、結局どれがいいのかわからん
という疑問をお持ちの方も多いかと思います。
最近、カクヨムを使う機会があったので、著者がいつも使っている、エブリスタとの使用感の比較をしてみたいと思います。
エブリスタはやってるけど、ほかのサイトも気になるな、という方のお役に立てましたら。
なおエブリスタ解説記事は、このブログにわりといっぱいあるので、このサイトのメニュー→「小説サイト研究」→「エブリスタで読まれたい」から探してみてください。
カクヨムとは
KADOKAWAが直接運営するサイトです。
KADOKAWAといえば、東証プライムに上場している出版大手です。
コロナショックの巣ごもり需要あたりから、株価が大きく上がっています。出版だけでなくゲーム系、映像系などにも注力し、一大エンターテイメント企業という印象。また、N高など、教育関連にも力を入れています。
カクヨムは2016年に正式オープンしました。
エブリスタと比較した時の特色としては、
- 同社が出版している一部ライトノベルの二次創作が可能
- 新人発掘のためのコンテストが頻繁に行われている
- 書籍化賞多い
- コンテストに読者選考がある場合がある
- 相互評価に厳しめ
などがあります。
以下、カクヨムのメリットデメリットを、エブリスタと比較しつつ書いていきます。
カクヨムのデメリット
新作タイムラインに流れていく作品数が圧倒的に多い
エブリスタは良くも悪くも落ち着きがあります。
トップ画面に表示される新着ピックアップ作品も、曜日によっては20分以上、同じ作品がとどまっている場合があります。
一方、カクヨムは、9時、10時など、きっかりの時間に新作を上げようものなら、まず、投稿タイムラインの1ページ目にすら表示されません。
激流です。
小説投稿サイトに上げた大抵の小説は、デフォルトで読まれないものですが、カクヨムもアカウントを取りたてだと、なかなか読まれません。
星もつきにくい印象です。
カクヨムでいう星とは、1作品に最大3個まで投げられる、いいねみたいなものです。エブリスタでいうスターに似ていますが、スターよりも価値が重く、どちらかというとエブリスタの本棚みたいな要素です。多いと書籍化の希望が見えやすい、みたいな。
詳細な統計を取った方の、カクヨムの日記によれば、カクヨム投稿作の3割くらいは、星がつかずに埋もれているという話です。
1か月ほどカクヨムを使ってみたのですが、エブリスタより相互読み合い、評価返しなどの習慣がないな、と感じます。
実際、カクヨムで40作ほど、面白そうな小説を拝読し、作品をフォロー、星3とハートを入れてみました。感想を書かせていただいた作品もあります。
その結果、自分の小説の方へ流れて来てくれ、星を入れてくれた読者は、3人でした。感想を送ったことに対する反応はなかったです。
カクヨムでは、いつ誰にどれだけの星を送ったのかが誰からでも見えます。
そのため、誰にでもホイホイ星3を投げる人や、知らない書き手からの星やハート、感想はあまり歓迎されていないのかな、と個人的には感じました。
アカウントを取り立てで、怪しく見えたのもあるのかもしれません。
また、カクヨムでは、相互評価による星入れに対して、厳しい扱いをするケースが多いです。
ですのでそういうところも関係しているのかもしれません。
これも考え方の問題で、カクヨムは「冷たい」と取るのか、「星やハートを貰っても、それにさほど義理立てしなくてもいいムード」と取るのかは、人それぞれかなと思います。
じゃあエブリスタなら読まれるのね、とお思いかもしれませんが、正直、このところ、以前よりは読み手は減っているのかなという印象です。
過去作品と比べると、現在の作品は、新規の読み手による本棚が入りにくくなくなっています。
特集入り、受賞、相互読みあいのグループに入るなどしないと、ランカーでない普通の書き手の作品は、本棚数が伸びません。
最近は、書き手サイドが増えすぎて、どの小説サイトも、供給過多なのかもしれません。
そのため、どこの小説投稿サイトでも、評価されたいなら、時間をかけて地道に読者の囲い込みを行っていくことが、ほぼマストになります。

最近の小説投稿サイトでは、高いコミュ力と感想書きのスキルも必要になってきているのではないか、と感じます。
作品に表紙絵をつける機能はない
エブリスタから来た人だと、カクヨムのサイトを初めて見ると、トップページが文字で埋まっている印象があります。
カクヨムは小説に挿絵を入れることができません。
Q. 小説に表紙や挿絵を入れることはできますか?
作品ページや各エピソードページなどに画像を掲載することはできません。なお、近況ノート記事に画像を投稿することは可能です。
カクヨム
- 挿絵を入れたくって仕方ない人→カクヨムは非推奨。
- 絵なんか邪道、文のみで勝負してやる、という人→カクヨムはおススメ。
コンテストに読者選考がある賞がある
エブリスタと違うのは、カクヨムには、読者選考を設けてある賞が結構あることです。
読者選考がある場合、星の数などを加味して、次の選考に上げるかを決めるので、作品作りのほか、宣伝力の有無や人脈も重要になってきます。
読者選考が嫌なのでエブリスタに住んでいる、という公募勢もいます。
カクヨムのメリット
コンテスト・自主企画の数が圧倒的に多くにぎやか
これまでカクヨムのデメリットばかり書いてきたので、著者のことをカクヨムアンチかよ、とお思いかもしれないので、これから、カクヨムに投稿する最大のメリットを書きます。
カクヨムはコンテスト・自主企画の数が圧倒的に多いです。
それも、書籍化、プロデビューと言った魅力的なコンテストが。
例えば、電撃大賞、ビーンズ小説大賞、ルビー小説大賞、横溝正史ミステリ&ホラー大賞など、ジャンルも多岐にわたります。
カクヨムの運営者であるKADOKAWA自体がたくさんのレーベルを持っているので、その賞をweb受付する窓口として、カクヨムが使われているんですね。
一度カクヨムにUPしてしまえば、応募タグを付け替えるだけの労力で、様々な応募に応募できる点は、とても魅力的です。
そのため投稿タイムラインも激流になるんだろうと思います。
なお、自主企画は盛んなのですが、うまく機能していない場合もままあるみたいです。
評価の履歴が、誰にでも見える形で残る
カクヨムで、★やレビューを付けてもらえると、うれしいですよね。
自分を評価してくれたユーザーが、ほかにどんな作品に星やレビューを入れているのかを、カクヨムでは見ることができます。
無差別に★を入れているのか、気に入ったので評価してくれているのかもわかります。
★を1つしか入れない読者を怒るユーザーも一定数いるそうですが、その読者が、いつも★を1しか入れない人だとわかれば、悪意で★1を入れているのではないと理解できます。
このシステムによって、お互いに比較的心穏やかに過ごせるのかなと感じます。
カクヨムは、そのユーザーの、読書や小説評価に対する向き合い方が、出やすいサイトなのかな、という印象です。
価値観が合いそうな人と交流すればいいですしね。
ちなみに、エブリスタでユーザーの人となりを知るには、プロフィールページから見られるつぶやき機能と@コメントを見るのが一番です。
読者離脱がわかりやすい
ランキング表示の明快さだけで言うと、エブリスタの方が上です。
ただ、ランキングなんて知っても9割がた人を不幸にするだけなので、わかりにくい方がいいのかもしれません。
カクヨムの、エブリスタにない優れた点は、ページごとに読者数が出る点です。
これにより、作中の何ページ目で、読者が離脱して行ったのかが明白になります。
これはかなり有用な情報です。
読者が離れたページは何らかの問題があるとわかるので、そこをピンポイントで直すことにより閲覧増が期待できます。
改善点が見えやすいです。
マネタイズ比較
カクヨムとエブリスタ、どちらも作品をマネタイズすることが可能です。
カクヨムのマネタイズ
- 「ロイヤルティプログラム」
- 「サポーターズパスポート」
というシステムがあります。
ロイヤルティプログラムは、投稿した小説に広告を貼ることで、収益の一部を得られる構造のようです。
参加申し込みをしておけば、このシステムが使えるようになり、自分で何か作業をする必要はないようです。
ただし、ある程度の収益を得るには、閲覧数をかなり稼ぐ必要があるようです。
また、「サポーターズパスポート」という機能があり、これは平たく言うとクリエイターへの投げ銭機能です。
投げ銭すると、そのクリエイターが限定コンテンツを設定してある場合、それを閲覧できたり、カクヨム内広告が一定期間非表示になったりします。
やってみたい人は、ひとまず公式ヘルプページを見てみては。
エブリスタのマネタイズ
一方、エブリスタも、作品を有料化することでマネタイズが可能です。
- 作品自体を有料販売できる
- スターギフトをもらう
エブリスタでは作品ごとに、有料販売をするかしないかを決められます。あんまり売れているという話は聞かないのですが……
また、スターギフトは、投げ銭です。
カクヨムでいう、「サポーターズパスポート」と似ていますが、投げ銭を受け付けるかどうかが、作品ごとに設定できる点が違います。
ところで、作品を売るなら、イラストや音楽などの幅広いデータ販売に対応した、noteも一考かなと思います。
じゃあ結局エブリスタとカクヨムならどっちがいいの?
自分の創作スタンスと会っているサイトがおすすめです。
個人的には、交流したいならエブリスタで、自分の作品の制作に集中したいならカクヨムかな、という印象を受けました。
エブリスタはX(ツイッター)みたいなつぶやき機能や、気の合うユーザー同士が交流するコミュニティの場を作れる機能、ページごとに感想をつけられるペコメ機能があって、ユーザー同士が交流しやすいです。
カクヨムはそういうのがないので、交流疲れしにくく、作品作りに集中できます。コンテストにガンガン応募したい人にもおすすめです。
なお、カクヨムもエブリスタも、どっちの小説投稿サイトもしっくりこないな。という人は、こちらの投稿サイトはいかがでしょうか↓
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