エブリスタやカクヨムなどの各小説投稿サイトでは、頻繁に賞が開催されていますよね。
応募してあわよくば書籍化……などと夢見ることもあるんじゃないでしょうか。
賞に取り組むなら、極力最短で結果を出したいですよね。どういう人(作品)なら小説サイト開催の小説賞で勝ちやすいのか、興味ありませんか?
以下、web小説賞ならではの傾向と、じゃあどうしたらいいのか、などを書いていきます。
いわゆる人気作ほど有利なケースが多い
例えば、カクヨムコンでは明記されているのですが、獲得している★の数が選考で使われます。つまり、他者からの評価が高い作品は、下位選考で落ちにくくなっています。
カクヨムで開催されている賞は、カクヨムコンのほかにも、読者投票システムを取り入れている場合が多いので、そこで評価点を稼げないと、あまり入賞は期待できません。
シビアなのですが、逆に考えてみると、数字を達成しさえすれば下位選考を抜けやすいので、何をしたらいいかという目標がわかりやすいです。
カクヨムだけでなく、一般的に、小説投稿サイトではPVや星などの評価が多ければ多いほど有利です。賞に落ちても、注目度が高ければ出版社の目に留まりやすく、チャンスが増えます。
web小説賞は、応募作がオープン
出版社が自社で開催している小説コンテストは、フォームから作品を応募して結果が出るまで待つ、他の人の応募作は見られない。というケースが多いですよね。
これはメリットでもデメリットでもあります。
とりあえず、作品を読んだライバルにパクられる、という事態は、おそらく限りなく回避できますが、落選すれば世に出ることはありません。
自分の作品をライバルに見られたくない、という人は、出版社のフォームから応募する賞を選ぶのがおすすめです。
・出版社開催のコンテストの例↓
一方、小説投稿サイトが開催する賞は、応募作が他者からも閲覧できる状態であることが多いです。その点、フェアさがあります。
どういうレベルの作品が応募しているのか、誰が応募しているのか、が、自分がその賞に応募する前に見えるので、作品が被っていたら応募前に修正したり、別の賞に転向するなどの対策が取りやすいです。
デメリットは、パクられやすい点です。
作品を小説投稿サイトに公開するということは、誰もが見られる状態になるわけなので、ある程度のパクりパクられは、現状、ほぼ避けようがありません。
ただし、締切ぎりぎりに送るのは、インターネット環境などに問題があると、最悪応募を断念せざるを得ないというリスクもあります。
ぎりぎりも程々にしたほうがいいかと思います。
文章力が高ければ評価されるというものではない
出版社のいわゆる文学賞は、権威を重んじる傾向が強いので、文章力がある程度重視されるように見えますが、小説投稿サイトが開催する賞はちょっと傾向が違うようです。
このあたりが、より大事にされるように見えます。
凝ったり整っていたりする文章よりも、webにおいては、一文が短めな、読みやすさを重視した簡潔な文章のほうが、結果的に読まれやすく、評価が付きやすいかもしれません。
主観になりますが、ライトノベル、ライト文芸、TL小説のあたりに近いものが、webで人気が出やすく評価されやすいジャンルかなと感じます。
テンプレ王道ばっかで、文章作法が全然なってない、とweb小説を批判する人もいますが、たぶんテンプレという安定感や、ネタやキャラ作りが、より評価される世界なんだと思います。
一度作ってみるとわかりますが、同じ婚約破棄というテンプレを使っても、それだけで人気が出るわけじゃないですよね。
同じテンプレを使うからこそ、読者の比較はシビアで、そこで結果を出せる人でないと、書籍化も賞も期待しにくいです。
それがちょっと向いてないな、と思う人は、小説投稿サイト以外の文学賞への応募に転向を考えてみるのもいいかと思います。ただ、そっちもなかなか狭き門です。
書籍化前提の小説賞で賞に入ること自体が奇跡を起こすのに近く、ある程度知名度がある小説賞だと、受賞者は応募者全体の1%以下、というケースがザラです。
ですので、なるべくたくさん書いて、たくさんの賞に応募する、くらいの気持ちでいたほうがいいかなと思います。
webの小説賞と、そうでない小説賞では、評価されるポイントをはじめとして、勝負する世界がちょっとずつ違うんだ、ということを意識しておくと、心が穏やかになるんじゃないかと思います。得意な方に応募するウェイトを上げていけば勝ちやすくなるかと思います。
人気が出せないweb小説で応募する際はどうしたらいいか
人気が出なかった作品は小説サイトで賞を取れないのか、といえば、必ずしもそうでもないです。
他者からの評価点を選考に加味しないweb小説賞を選べばいいだけです。
あまり多くはないですが、探せばあります。
たとえば、小説サイトのエブリスタが開催する、「超・妄想コンテスト」と、「執筆応援キャンペーン」、「新星ファンタジーコンテスト」は、あまり読者からの人気を評価に加味しないっぽい様子で、本棚数が、ひと桁前半でも入賞するケースがままあります。
ただ、人気の有無を選考に加味しない、ということは、他の独自の選考基準のもとに選考が進められる、という意味でもあります。
カクヨムコンのように、誰が見てもわかりやすい「数字」という評価基準がいいか、どういう価値観で良し悪しが判断されるのかわからない賞に挑むのがいいのかは、自分の実力や賞との相性と相談して決める必要があります。
自分の狙う賞が、人気を選考に加味するかどうかは、選考サイドが明記していなくても、過去の受賞作を見ればわりとわかるので、いったん確認しておいて損はないです。
まとめ
Web小説で賞を取るのは読者人気がわりと大事。でも読者人気がなくても受賞させてくれる賞もある。さがしてみよう。文章力にこだわりすぎないのも大事。
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