WebにUPするための小説を書いたら、表紙も凝りたい。
タイトルまわりのデザインもおしゃれなものにしたいな。
そんなことを思う人もいるのではないでしょうか。
Pixivなどは表紙に自動文字入れ機能があったりするのですが、今のところあまりデザインの自由度は高くありません。思った通りのロゴを作りたい場合、自作するのがおすすめです。
タイトルデザインをするためのツール
デザイン制作に使えるツール例は以下です。
Canvaは自動で画像生成をしてくれたりもするのに、基本的に無料で使えるので、お得感はあります。
ただし、文字のアウトライン化ができないので、大幅な文字加工が必要になるタイトルデザインを作るのには、あまり向いていないと言わざるをえません。
有料のデザインソフトはAdobe製品のほかにもいろいろあるのですが、Adobeのサブスクを利用すると、商用利用できるAdobeフォントが使えるようになるので個人的におすすめ。ベースに選ぶフォントによってロゴは出来栄えが結構変わってきます。
というわけで、これから紹介していくのは、タイトルロゴをAdobe illustratorかphotoshopで制作する前提でのおすすめデザイン本です。
ロゴデザインの基本を学びたい場合
『ロゴの作り方アイデア帖”いい感じ”に仕上げる65の引き出し』
・『ロゴの作り方アイデア帖 “いい感じ”に仕上げる65の引き出し』
- ロゴづくり初心者に親切か度→★★★★
- 小説タイトルづくりに生かせるか度→★★★
(※★は5がmaxだと思ってください。なお個人の主観です。)
ロゴづくりの本の中では、親切なほうかと思います。
なぜなら、ロゴづくり本の中には、
「え、どうやってその文字加工したん……?」
と、うめきたくなる本がわりとあるからです。
つまり、デザインソフト上での制作過程が端折られていて、完成デザインだけが載っているという場合が往々にしてあります。
その場合、文字加工を再現するのに、制作者がデザインソフト中のどういうツールを使ったのか? から推理していく必要があります。デザインソフトの習熟度次第では、途中で投げたくなることも。
そんな、ロゴづくり初心者を振るい落とす仕様の本もある中、この『ロゴの作り方』は、比較的親切です。
どういう加工を施した結果、そういうロゴの形になったのか? という過程を、さらっとですが図解してくれています。ロゴづくり本を何冊か読むと、この本の親切さがわかります(個人の主観です)
- 文字加工例は技術的にやさしめなものが多い
- 制作過程も多少載っているので再現しやすい
- いわゆる「現代の流行」を追いかけた、おしゃれ系のデザインは少なめ
『たのしいロゴづくり-文字の形からの着想と展開』
- ロゴづくり初心者に親切か度→★★★
- 小説タイトルづくりに生かせるか度→★★
ロゴづくりの基本が載っている本です。ベタ打ちの文字から、どうやってロゴっぽくしていくのか、そのアイデア例が載っています。書体の持つイメージや種類など基本的なところも押さえてあります。
上で紹介した『ロゴの作り方』よりももっとフォーマルな印象の本。欧文ロゴを作る時に向いているかもしれません。
というのも、この本の1/3くらいのページは、欧文書体のサンプル集だからです。
この欧文書体はこういう特徴的な形で……、というカタログ状の部分に、ページ数が多く割かれています。
文字加工に関しては、
「赤く色を付けた箇所に丸みをつけます」→加工→「エレメントに丸みがつきました」
などと説明があり、加工がさらっと図説してあるのですが、その再現には、かなり高い文字加工スキルを求められます。
デザインやデザインソフトにある程度親しんでいて、ちょっとロゴを始めようかな、という人向けの本かなと思います。
和文ロゴについても多少レクチャーされており、実際にロゴアイデア作例もいくつか載っています。
- 欧文ロゴの加工アイデアが多いので、欧文多めのロゴを作るのに向いた本。
- 和文ロゴのアイデアもいくつか掲載されています
- 硬めのデザインが多いです
- そのため、書籍のタイトルデザインで流行っている、ラフ感を取り入れた感じとは、ちょっと温度差があります
『あるあるタイポ。誰でもできる文字加工のデザイン集』
- ロゴづくり初心者に親切か度→★
- 小説タイトルづくりに生かせるか度→★★★★★
若い人向けの広告類で氾濫している、いわゆる「おっしゃれー」な文字デザインのアイデア集の本です。
おしゃれなことは間違いありません。
デザインにも流行があるので、そのうちこの本も古くなるとは思うのですが、2024年現在、十分におしゃれさが担保されているかと思います。
文字を読ませたいとき、文字にインパクトを与えたいとき、などさまざまなシーン別に使える、タイポグラフィが載っており、小説のタイトルづくりにも十分生かせそうなアイデアもあります。
- この本のアイデアを真似て作ると、洗練されたロゴが作りやすい
- 文字加工のレクチャー過程がほんの少ししかないので、あくまでアイデア集。
- 完成ロゴを見ただけで、デザインソフトでの制作過程を想像し、再現できる人向け。
- デザイン上級者向け。
ロゴづくりのお手本をすぐに見たい人の場合
ロゴを自分で考える前に、商品化されたデザインをたくさん見て、どういう作品にはどういうロゴがふさわしいのか、という理解を深めておくのが大切です。
インプットしておかないと、アウトプットは出来ないからです。
ロゴのお手本は、すぐ見ることができます。
書店やwebで、小説の表紙をたくさん見るのもいいですし、もっとまとめてロゴだけ見たいなら以下で紹介するような本もあります↓
『アニメ・ゲームのロゴデザイン』
『アニメ・ゲームのロゴデザイン』は、アニメ、ゲーム、Vtuber、メディアミックスのロゴがまとめられた本です。
2010~2022まで作品からピックアップされたロゴが、年代順に掲載されています。
実際に使われているロゴなので、商品になるレベルのロゴがどういうものか把握するのに向いています。
正直、2010年頃のロゴだとすでに古く感じるものもあるのですが、ロゴの流行の変遷の一部としてみると、学びが深いです。
おすすめはアニメのロゴデザインです。
アニメは、原作が漫画や小説だったりするので、そのタイトルデザインを流用して作っている場合も少なくありません。ですので、小説表紙にも生かせるアイデアもたくさんある印象です。
この本のすばらしいところは2点あります。
1点目は、作品ごとに、ロゴデザインした人の名前(デザイン会社名)が載っていることです。
そのデザイン会社のHPに行けば、その会社の手がけた他のデザインも見ることができる場合が多いです。デザインの学びを深堀りできます。
2点目は、有名なロゴができるまでの過程が何個か載っているところです。
文字加工の技術が載っているわけではありません。
ただ、デザイナーが、アイデアラッシュの下書き段階から、どういう風に完成形へ持って行くかの、その試行錯誤の思考過程が載っているので、その点が参考になります。
- 有名タイトルのロゴがどうやってできたかその過程がうかがい知れる
- ロゴだけ集めてあるので調べる時間の無駄がない
- 本自体の値段が、わりと高め
- 本がやや大判(A4よりちょっと小さいくらい)
ほか、ロゴづくりにあると便利なもの
上にも書いた通り、ロゴづくりは、無料のデザイン制作ツールのCanva(キャンバ)、有料のソフトなら、Adobeのillustrator(イラストレーター)かPhotoshop(フォトショップ)あたりがあるとはかどります。
また、ロゴは色合いも大事なので、カラーデザイン本もあるとはかどるかと思います。
サメダが持っているのはこれです↓
メインカラーとだいたいのイメージを決めておくことで、その該当ページを開けば、考えなくてもおしゃれな配色例にたどり着けるというユーザビリティの高さが便利かなと、個人的には思います。
・(参考)表紙はこんな感じです
配色の本は、ごまんと出ているので、webストアで立ち読み機能を利用したりして、自分に合いそうなのを、よく確かめてから買うのがおすすめです。
小説の舞台にベースになる国があるなら、その国のカラーを使ってみると、より、雰囲気が出やすいかもしれません。
そういうテーマの配色本もいくつもあります↓
タイトルデザインをするのにデザインツールの習熟度はどのくらい必要か
あればあるほどいいに越したことはありません。ただ、そんなことを言っていたら、一生何もできないですよね。
Adobe illustratorの場合は、このくらいの習熟度があると、詰まらずにデザインできるかなという印象です↓
慣れない場合は難しさを感じるかもしれませんが、illustratorの機能を全部覚えなくてもロゴは作れます。ロゴを作る機能だけ覚えればいいので、習得自体は、さほど難しくありません(パスで思った通りに作画するのはちょっと難しいかもですが)。
文字加工も、よほど凝った物を作るのでなければ、そこまで難しくはないので、ネットで一個一個操作を調べながらでもデザインできるかと思います。
袋文字とグラデーションは、タイトル作りで使いがちなので、この技術を知っていると便利です。
Photoshopも似たような感じです。
Illustrator、Photoshop両方使ってみたい人におすすめなのは、Adobeのクリエイティブクラウドです。acrobatが入っているので、PDFが編集できるのが地味に便利です↓
Adobeは生成AIにも力を入れているので、ロゴも各ソフトの生成AI機能で作るという手もあります。
まとめ
文章を極めることは難しいです。デザインも同じです。
凝り出すときりがないので、適当なところでやめておいた方がいいです。あなたの目的は、小説のタイトル入れだったはずではありませんか? 小説を書く時間がなくなったら、意味がありません。
とはいえ妥協したくない、という人は、自己修練するか、誰かプロい人に作ってもらうのがベター。プロい人に頼むときのコツはこちらの記事をご覧ください↓
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