色を付けるまでは、いい絵(あるいはデザイン)だったのに。
色を付けた途端、なんだかダサい気が……?
そんな気持ちになったことありませんか。
「色の使い方がおかしいのはわかるんだけど、どう直したらいいのかわからない」
ですとか、
「サクッとオシャレな配色について知りたい」
という人におすすめの本を、何冊か紹介していきたいと思います。
なお、著者のサメダは、色彩検定1級所持者です。
基礎編:配色本おすすめはこれ
基本的に、使う色数を絞ったほうが、洗練されて見えやすいです。
じゃあ具体的には、それは何色と何色の組み合わせなの?
って思ったときに見るのが、配色本です。
配色本は、書店のデザインのコーナーあたりに行くと、とてもたくさんの数の本があると思うので好きな本を選べばいいと思うのですが、以下に、個人的なおすすめ本を書きました。
『神話と伝説 配色アイデア事典』
・『神話と伝説 配色アイデア事典』この本は、世界の神話や伝説をイラストとともに紹介しています。
その神話や伝説の持つイメージ(力強い、風格、目立つ、など様々)を、実際に色に落とし込むと何色なのか、というコンセプトで作られている本です。
配色は、CMYKとRGBの数値で書かれているので、それを指定するだけで同じ配色にすることができます。
そういうわけで、配色の本は、(この本ではなくとも)1冊くらい持っておくと、色を考えるときに時短で便利です。
正直、この本に載っている神話のカラー数値指定には、それほど確たる根拠はない様子ですし、え、この神話、この配色なの? と思えるものも時々あります。
ただ、こういう荘厳な場面を表すのに適当な色彩はどんなものなのか?
ですとか、
このあやしい世界観を出すにはどういう色の組み合わせが効果的なのか?
などの、シーン別配色の参考例として使えます。
各国の伝説が書かれているので、読み物としても楽しいです。
各ページのイラストも幻想的で、見ていると創作意欲が湧いてきやすい印象です。
『ファンタジー配色アイデア事典』
上で紹介した『神話と伝説 配色アイデア事典』が気に入った人におすすめなのがこちら。
同じ出版社が出している、
・『ファンタジー配色アイデア事典』です。
こちらも、『神話と伝説 配色アイデア事典』と同じようなコンセプトで作られた配色事典です。
こちらは、有名な世界のおとぎ話で配色を組んであるものです。
COLOR DESIGN カラー別配色デザインブック
デザイナー向けにおすすめなのがこちらの本です。
たとえば、
赤色をメインに持ってくる場合に調和する配色例は何か?
などという疑問ががすぐに解決するので、調べやすいです。
力強い、高貴な、とか抽象的な言い方で検索する必要がないので、すぐに欲しい配色に行き着けます。
メインで使いたい色に、1色加えた時、2色加えた時、3色加えた時の、それぞれの配色例があるので、バリエーションを付けやすいです。
応用編:色彩検定を受験してみる
これからプロとしてイラストやデザインをしていきたい。またはプロっぽく見せたい、と考えている人は、配色本からさらに進んで、配色について勉強していくのもよいかと思います。
色彩について学べる資格があります。
それが「色彩検定」です。
ほかにも、級によってはテキスタイルや、色彩の流行色はどうやって決まるのか、など、様々な方向から、色彩についての学びが得られます。
級はUC、3級、2級、1級があります。
試験のチャンスは年に2回あります(ただし1級受験ができるのは、冬回のみです・1級は2次まであります)。
受験の難易度は、公式が出している2023年の情報によると以下です。
1級 | 2級 | 3級 | UC級 | |
志願者数 | 2,465 | 15,872 | 29,449 | 5,091 |
合格率(%) | 41.4 | 72.2 | 74.1 | 83.6 |
以前、1級はわりと難しかったのですが、今はそれほどでもありません。
正直、2級を持っていれば、基本的な配色は学べていることになると思うので、2級まで取っていればいいかな? という感触です。
余力があれば1級まで取っておくのもいいかもしれません。
1級を取るのはやや難しいです。
というのも、受験のチャンスが年1回のみなので、腰を据えて、色彩学をやってみよう、と思えるほど色の世界が好きな方におすすめです。
色彩検定の受験勉強で必要なもの
買っておいた方がいいもの(ほぼマスト)
- 公式テキスト
- 配色カード
色彩検定には公式テキストがあります。
基本的にそれを読んで勉強する流れです。ですので公式テキストは買ったほうがいいかと思います。
・公式テキスト(3級)
※2級には2級の、1級には1級の公式テキストがあります。
・日本色研 新配色カード199a
配色カード? ちょっと何のことかわからないな、という人のために画像を貼ると、こういうのです↓
これを切って貼って解答する問題が、試験で何問も出されます。
ですので、切って貼る作業の練習も兼ねて、配色カード199aは、何本か買っておくのがほぼマストです。(受験時に持参する必要はなく、試験場で新しいのが配られます)
色彩検定は配色カード199aをいかに早く正確に、選んで切って貼るか、というゲーム
だという認識で大体あってる気がします。
私は1級の勉強のために、配色カード199a を10本くらい消費しました。
なお、この試験には、糊とハサミも必須です。
糊は水分が多いものじゃなくて、こういうスティックのりがおすすめです。水分が多いと乾きにくいからです。
トンボのものは、塗った場所が色で見えるので作業ミスを防げます。
ハサミは何でもいいですが、手になじむもので、糊が付いたものをたくさん切ってもベタつかないものがいいです。
ベタついてうまく切れないと、地味にストレスですし、試験時間をロスしてしまいがちです。
あると安心なもの
- 過去問集
公式が出しているものです。
どんな試験でもそうなのですが、テキストで学んだあと、過去問に触れておくのは超大事です。
どういう問題が出題されるか知っておかないと、どの範囲が出やすいか、ですとか、時間配分をあらかじめ決めておく、などの対策がしにくいからです。
色彩検定も、過去問を2、3年分解いておくと安心です。
色彩検定の資格は役に立つのか?
経験から申し上げますと、この資格がデザイン系の就職で役に立った実感はなく、自分が色彩を学びたいので取った、という感じです。
ただ、全く役に立たないわけではないです。
色彩については、もちろん間違いなくスキルアップできます。
何の裏付けもなく自分の設定した色彩について説明するのと、級所持者や専門知識という裏付けがあって説明するのでは、相手の納得度が違います。
それが自分の満足度と自信につながるので、ひいては仕事や趣味にいい影響を与えられるとも言えます。
実生活へのお役立ち度は、FP2級と同じくらい(=就職には有利にはなりませんが自分の役に立つレベル)だと思ってください。
同じ程度の難易度(合格率70%くらい)でもっと就職に役に立つ資格をお探しの方には、乙4のほうをおすすめしておきます。もう色彩関係ないですけど。
色彩検定は、多少、心に余裕のある方向けの資格です。
合格率は2級までは高めなので、気安く勉強しやすく、取りやすい資格だと言えます。
・このブログ「創作沼」には、お絵かき参考記事がまだまだいろいろあります。ゆっくりしていってね!
まとめ
色のセンスに自信がないなら、配色本は何か1冊もっておくのがおすすめ。
もっと自信を付けたいなら、色彩検定を受けるという手もあります。
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