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【営業用イラストポートフォリオの作り方】・載せるべき情報、サイズ感など

イラストポートフォリオ作り方記事アイキャッチ イラスト系

イラストレーターとして営業活動するとなったら、売り込み用のポートフォリオ(作品集)を作る人も多いですよね。

でも、初めてだと、どうやって作ったらいいのか、サイズは? 何を載せたらいいの? など、わからないことも多いかと思います。

なお、イラストのポートフォリオ作りに、絶対的な正解も不正解もありません。強いて言うなら、お客さんからオーダーが入るポートフォリオがいいポートフォリオです。

ですので、これから記事内で紹介するのは、数あるイラストポートフォリオの作り方の中の、1つの例として読んでいただけたらと思います。



一般的なポートフォリオの体裁

  • pdfなどのデータ
  • ポートフォリオサイト

営業していて、「ポートフォリオを送って」と言われた場合、この3種類うちのどれかを使う場合が多いです。(※なお、今回は紙とpdfについての記事になります)

・ポートフォリオサイトの記事はこちら↓

pdfか、ポートフォリオサイトのURLを希望される企業が増えている印象ですが、郵送で送って欲しい、と望まれるところも、まだ少なからずあります。

ですので、紙とデータ、どちらの用意もしておいた方がいいかなと思います。

紙ポートフォリオは、在庫を抱えることになるので、必要に応じて刷ります。まずは、ページ構成などの点で、融通の利きやすい、pdfデータから作るのが、おすすめです。

なお、紙ポートフォリオ作りは、デザイナーがおもに使っている、Adobe製品のデザインソフトを使ったほうが、体裁がきれいに、そして自由にできます。

ページ数が少ないなら(10ページくらいなら)Adobe illustratorで行けるかなと思います。

Adobe illustratorは、奥が深いソフトですが、最低限使えるようになるにはそう時間はかからないです。

たぶん、Adobe illustratorで一番難しいのは、たぶんパスを思った通りの形に整えることです。

ですが、ポートフォリオでそこまでパスを取る機会もないと思うので、しばらく触っていれば基本的な動作は、自然と覚えてくるかなと思います。

Adobe illustratorのデータはpdf書き出しもできますし、慣れてくれば、ブログのアイキャッチや、イラスト制作にも使えるので、これ一個あるだけで結構便利なソフトです。

他に、画像を加工したり、もっと分厚い冊子を作ったりしたい人は、Adobe製品のソフトがコミコミセットになったAdobe Creative Cloudを買うといいと思います。

冊子状にしてきれいに組版したい人は、Indesignのほうがいいかも。

各Adobeソフトを単体で買うと安いんですけど、Adobe Creative Cloudは、pdf編集ができるアクロバットも入っているので、そこが地味に便利です↓



ポートフォリオ作成初心者は、先達のポートフォリオを参考にしよう

自分のポートフォリオをいきなり作ろうと思っても、予備知識がない場合、どんな様式で作ったらいいのかわからないですよね。

そこで、お手本を参考にしましょう。

イラストレーターと名乗っている人のサイトやSNSが、探すと星のようにあるので、まず、その方々のポートフォリオを見せてもらって、ざっくり製作イメージを固めていきましょう。

特に、お仕事実績多数の売れっ子イラストレーターは、ポートフォリオもブラッシュアップされている傾向で、学ぶところが多いです。

自分のイラストが萌え系なのか、非萌え系なのか。メインの取引先にしたいのが個人なのか企業なのか。人によって違うと思います。

自分の目標とする分野で既に活動しているイラストレーターのポートフォリオが、一番参考になるかと思います。

イラストポートフォリオを、自分のサイトからpdfでDLできるようにしているイラストレーターも多いので、それを見せてもらうとデータ作りがはかどります。

  • 1ページに載せるイラストの数
  • ページ数
  • 文字サイズ
  • 載せてある情報
  • あしらいの使い方

このあたりを特に注目してみるといいと思います。なお、いいところはどんどん取り入れていけばいいと思いますが、決してパクってはいけません

本で見たいという人には、こういう解説本もあります。

『デザイン・クリエイティブ業界を目指す人のための ポートフォリオ見本帳』

中にはかなりプロっぽいつくりのデザインのものもあって、再現するのが難しい部分もあるのですが、エッセンスは参考になるかなと思います。


著作権、掲載時期に注意

クライアントワークのイラストの場合、なんでもすぐポートフォリオに載せていいわけではありません。

そのお仕事によって、いつからなら公開OKか、先方から指定があると思うので、それを守りましょう。その指定日前に実績と指定公開すると、機密漏洩になってしまいます。

また、イラストのお仕事をするときには、著作権を譲渡するケースがあります。

著作権譲渡した作品をポートフォリオに載せたいと考えた場合、著作権譲渡先に、ポートフォリオに掲載してよいかどうか確認し、OKをもらったもののみ載せましょう。

でないと、契約違反でトラブルになる可能性があります。


紙ポートフォリオ制作の注意点

自分で印刷するより印刷会社に頼むほうが結果的にエコ

営業をかける企業によっては、ポートフォリオをデータではなく郵送して欲しい、と希望される場合があります。

その場合は印刷することになるのですが、

家庭用インクジェットより、印刷会社に頼んだ方が、発色が圧倒的によく、見栄えがいいです。

何セットも刷るのであれば、印刷会社をおすすめします。

何セットもポートフォリオをインクジェットで刷ると、インク代も紙代も刷る時間も結構シャレにならないからです。

印刷屋に回す、っていうと、ハードル高いなと思うかもしれません。

でも、最近は印刷代がかなり廉価な会社も多いです。組版できる人は、印刷会社へ入稿するのがおすすめです。

このあたりは比較的廉価です。

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ちょっと高いですが個人的にはキレイかなと思います。

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なお、印刷会社によって、同じデータでも色味や仕上がりがちょっとずつ違うので、何社か試してみて、自分のイラストに一番合う刷り上がりのところを選ぶといいと思います。


ベストなポートフォリオのサイズは?

イラストレーターのための雑誌、『イラストレーション 』の234号に掲載された、デザイナーの声によると、

  • A4サイズが扱いやすい
  • 無理に製本しなくても、ペラでもいい

という意見がありました。

ただ、以前に、一次創作系の商業イラストレーターらに聞いたことがあるのですが、ポートフォリオは製本の体裁にしている人が多いみたいです。

とはいえ、製本まで行っている本格的なものから、コピー用紙をクリップで留めただけのものまで、ポートフォリオは人それぞれです。 本来、サイズも体裁も自由です。

どういう体裁にするかはあなた次第ですが、あまり凝った加工をしてあるものは、送付先の企業が、保存しづらくて困ってしまう場合があるそうです。

閉じられていないバラバラのカード上の作品集を頂いたこともありますが、もらった時は、「可愛いな、工夫しているな」と思うものの、袋やクリアファイルなどに入れて棚に差すと、もう見当たらなくなってしまうため、(中略)不利でしかないかなと思います。

『イラストレーション 』2022年6月号より

ポートフォリオのサイズを決める時は、受け取る企業のこともよく考えたほうがいいですね。

『イラストレーション 2022年6月号』はそのほかにも、営業のアイデアやイラストレーターとしてのノウハウが載っているので、見ておいて損はないかな、という号です。

ただし、これは営業用のポートフォリオを作る場合の話であって、個展を開いたりする場合には、紙や印刷を凝りに凝ったポートフォリオのほうが印象的かもしれません。



どのくらいの部数を刷るか

想定営業先の数よりちょっと多いくらいだけ刷って、足りなくなったらまた発注するベターかと思います。

印刷所に回した場合、ロット数を多くすればするほど、単価は安くなります。ですので、できるだけ一度にたくさん刷ったほうが得だと、一見思えるのですが、

ポートフォリオは生ものです。

新しい仕事実績が増えたり、営業先によって作品を差し替えたりと、内容が頻繁に変わっていくものなので、刷りすぎてしまうと、使い切る前に新しくしなければならなくなるかもしれません。

そうすると、前のポートフォリオは無駄になってしまうので、あまり一度にたくさん刷らないほうがいいです。

少々単価は高くても、必要なだけ刷ったほうが、無駄がないです。

ただし、クリエイターエキスポに出店する場合や、個展などを開く場合は、欲しい人に行きわたらないほうがリスクなので、多めに刷ったほうがいいという話です。



ポートフォリオに載せる情報

プロフィール

これはマストです。

作品と同じくらい大事です。

イラストを見ただけではわからない、あなたの強みをアピールできるチャンスです。

求職者の履歴書に近いですが、そこまでかしこまらなくてよいかなと思います。

  • 得意なイラストのテイスト
  • 得意ジャンル(+それを裏打ちする経歴・資格・職歴など)
  • 納品可能なデータ形式

など、

取引先が知りたいと思うような情報を盛り込みましょう。

個人的な体感では、受賞自慢はあまり刺さらない印象です。著者の実績が冴えないからかもしれないですが。

過去に有名企業と取引実績がある場合、それを書いておくと、受賞自慢よりアピールになる気がします。



連絡先

これもマストです。

最近よく見るのは、すべてのページの上か下に、連絡先とペンネームを入れてあるポートフォリオです。

たしかに、先方がそのページだけ抜き出した時にも、連絡先が載っているので誰のポートフォリオかわかる、という利点があるなと思います。

また、これは当然のことなのですが、

ポートフォリオデータを、web上で誰にでも閲覧できる状態にした場合、住所、本名、電話番号を入れるのはNGです(※本名でイラスト活動をしている人や、営業用の電話番号を持っている人なら別ですが)。作品盗用防止のため、透かしも入れましょう。

どこに悪意が転がっているかわからないこの現代において、リスクが高すぎます。

個人で活動している、法人じゃないイラストレーターは、ペンネーム、メールアドレス、SNSを載せるくらいに留めておきましょう。



インボイス登録業者かどうか

インボイス制度が開始されたので、取引先によっては、あなたがインボイス登録業者かどうかが、取引の基準になってくる場合があります。

インボイスに登録済みの人は、登録者であることを書いておいた方が、有利かもしれません。逆に、登録してない人は、自分から申告することもないかなと思います。



イラスト使用媒体・クライアント名

ポートフォリオ掲載の作品が、何に使われたイラストなのかは、各イラストごとに書いたほうがいいです。

取引先企業名、サイト名、書籍名などです。

企業様との取引実績があると信頼感が強まるので、企業案件は積極的に載せたほうがよいかと思います(先方にOKをいただいている場合)。


載せてもいいし載せなくてもいい情報

作品製作にかかった時間

これが書いてあると、あなたがどのくらいのスピード感でイラストを描ける人なのかを、先方に知ってもらうことができます。

ものすごく作画が早い人はアピールになります。

逆に、すごく制作に時間のかかる人の場合、申告するのは逆に不利です。


年齢、性別、子どもの有り無しなど

自分のことを取引先に知ってもらいたい場合は書いたほうがいいのかなと思います。

たとえば、育児系、児童教育系イラストのお仕事をたくさんもらっている人は、育児経験のあるイラストレーターが多いです。これは育児経験のないイラストレーターより、このジャンルの競合で有利、ということが言えるのかもしれません。

・児童教育系イラストで人気のイラストレーターの一例

多くの人が見てカワイイ、と感じやすいシンプルなタッチを描ける方は、児童系イラストに向いているかも。

ただしカワイイ系は、非常に競合が激しい点は明記しておきます。自分ではかわいく描けた、と思っても、それよりはるかに可愛く描いてのける猛者が、この世には山ほどいます。


作品制作コンセプト

あると、そのイラスト作品がどのような意図で創作されたのか相手に伝わりやすいです。

特に自主製作イラストの場合は、説明があると親切かなと思います。




ポートフォリオ制作時のNG事項

1ページにイラストをぎゅうぎゅうに詰め込む

できるだけたくさんの作品をポートフォリオに載せたい人もいると思いますが、あまり1ページに詰め込みすぎると、情報が多すぎて見づらいし、一点一点の絵が、印象に残りにくいです。

また、イラストが収まりきらないからといって、イラストの一部が他のイラストに重なるようなレイアウトにするのはよくないです。

これだ、という絵は1ページに1イラストで、じっくり見てもらえる演出をするのも、見せ方の一つです。



ページ数が多すぎる

どんなにいい絵も、たくさん見せられると飽きてきます。

『イラストレーション』234号によると、ポートフォリオは、20ページくらいまでに収めるのが一般的、だそうです。

個人的には20ページでも結構多いなと思うのですが、このあたりは見せたい作品の量がどのくらいあるか次第かなと思います。

なお、ページ数が多いと、その分、郵送料金も高くなるので、営業コストを回収するのがそのぶん大変になってきますので注意。

・いよいよ送る、となったらこっちの記事が役に立つかもな記事↓


まとめ

・ポートフォリオ制作初心者は、まず、実績のあるイラストレーターのポートフォリオをたくさん見て参考にしよう。

・印刷する場合は印刷会社に頼むと見栄えがいい

・あまり凝った形式のポートフォリオにすると、先方が管理しにくいので注意

・なお、営業についてはこちらの記事もあります↓

このブログを書いている人
サメダ

小説を読むのが好きで、一般文芸系小説賞の下読みを数年しています。
公募勢でもあり、これまでの獲得賞金は180万超。
このブログでは創作、公募について発信していきます。記事内容は、公式とは無関係で、著者の主観による部分が大きいことをお断りしておきます。
文章書き、小説感想書きのお仕事承ります。問い合わせフォームからメッセを投げてみてください。

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