・なぜか小説賞の選考に通らない
・なぜ小説賞の選考に落ちたか、理由の一例を知りたい
・そもそも下読みって何? という人
こんなサイトに来るからには、あなたも小説賞レースの参加者ですね?
99%の確率で落ちるとわかっていても、もしかして自分の書いた作品が本になったら、と願わずにはいられないですよね。
著者は一般文芸系の小説賞の下読み経験者なのですが、そんな下読み経験者が、選考時に落とさざるを得ないと感じた作品例3つを上げてみます。
ところで前回記事は、なぜ一次選考に落ちるのかについて、下読みなりに考えてみました。え、運なの? どういうこと? みたいなことについて書きました。
※なおこれは著者の主観で、下読み制度と下読みが、みんなこうだという話ではありません。
下読みって何?
まずそもそも、下読みとは? と思う人もいるかもしれないので軽く説明すると、文学賞で、最終選考前の選考(1次や2次の段階の選抜)をする人のことです。
下読みが下位選考を通さないと、上の選考へはいけない場合が多いです。
ただ、下読みが置かれていない文学賞もあって、応募されてきた作品をすべて編集部が読む賞もあるようです。
どういう感じなのかちょっと知りたい方は、下読みについて触れたラノベがあります。
・『下読み男子と投稿女子 ~優しい空が見た、内気な海の話。 』(ファミ通文庫)
もちろんこんなに、ウキドキアオハルではないのですが……
下読み経験者が、選考時に落とさざるを得ないと感じた作品例3つ
カテゴリーエラー
これは例えば、時代小説を募集している賞に、転生悪役令嬢ものを送りつけるようなパターンです。
そういう作品って、意外と面白い作品だったりするのですが、落とさざるを得ない場合が多いです。
というのも、下読みは、その賞やそのレーベルという看板を背負って選考しているので、そのレーベルから出せないような作品を、上の選考に上げるわけにはいかないです。
ちゃんと選考という任務を遂行していないと思われてしまうので。
なぜ人は、カテゴリーエラーの作品を送ってしまうのか?
これを自分の経験からも考えてみたのですが、たぶん、
自分の作品を客観視できていなかったから
という部分が大きいんじゃないかと思うんですね。
これは著者の体験談なのですが、原稿を閉め切りギリギリで書きあげると頭がハイになってしまっていて、なんか判断がおかしくなることがあります。
書き上げた後しばらく寝かせて、冷静になってから応募するのがベターです。
もしくは、応募前に、誰かに読んでもらうだけで、カテゴリーエラーをやらかす危険性はだいぶ少なくなるんじゃないかと思います。
思考が旧弊
これは、年を取って来ると避けがたい部分があると思います。
でも、考え方が古いことや、偏っていること自体は、その個人の自由なんですよね。
じゃあ、何がまずいのかというと、作者のその常識を、押し付けることによって、読み手に不快感を与えてしまう危険性がある点です。
たとえば、男は外でバリバリ働かなくてはいけない、という差別的な発言をするキャラクターが作中にいてもいいんです。それは作品の多様性だと思います。
でもそれが、作品のテーマとして通底している場合、特定層以外には刺さりづらい。
読者を選ぶ作品ということは、商品にしても売れにくいということに繋がり、ひいては選考で上に上げにくいという結論になります。
「時代感」というのが小説の評価シートで評価項目になることがあるのは、この辺も見ているのかな? とも思います。作者自身は時代に取り残されていない、フラットな思考ができているか、みたいな。
ところで、自分は現代的発想にはついていけないわ、と考え、時代小説や歴史小説の応募に転向する場合もあるかもしれません。
ですが、時代小説は時代小説で、実は現代的な感覚が必要です。「時代が違っていても現代に通じる共感」が書けないと、読者がついて来ないです。
何か創作物を作る人は、ふだんから多様な世代の人と交流したり、作品に触れたりして、多様な考え方に触れておくのが大事かと思います。多方面への配慮が求められるご時世です。
驚きがない
小説賞の下読みをしていて、読めない小説が回されてきたことは、一度もないです。
小説家のわかつき先生の、小説ノウハウ動画で拝見したのですが、0次選考のようなものがあって、そこでそういう小説はふるい落とされるのかも? というお話でした。ちょっとどの動画か、失念してしまったのですが……
わかつき先生の動画は、個人的には小説投稿者必見かと思います。豊富な経験に裏打ちされており、リアリティが違います
というわけで、下読みのところへ回ってくるのは、みんなそれなりに小説の体裁を成している作品なんですよ。(あくまで著者の体験談です)
だから、作品の瑕疵で減点するのは難しくて、どのくらいおもしろいのか、で見ていくしかない。
面白い=意外性
という部分は大きいです。
自分の想像を超えていく展開を見せてもらえるから、商業小説ってお金を払って読む価値があるんだと、個人的には思います。そうでもない商業小説もありますけど。
オチや人物の行動が予想できてしまう作品だと、これをお金を払って読みたいだろうか? と考えてしまい、上の選考には上げられないなと感じる場合があります。
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まとめ
・小説賞で落ちたのには理由がある。
・カテゴリーエラーや思考の古さがないか、意外性があるか、について自問するといいかも
・なお、webの誘惑に負けて創作さぼっちゃう人は、執筆しかできないツール・ポメラがおすすめ。
コメント
サメダさんこんにちは。
うっ(´;ω;`)ウッ…
年を重ねると、一番怖いのがアンテナ力の弱体化です。おっしゃる通り!
色々な本読む、ニュースもチェック、映画も観るなどとアンテナ広げる努力はするのだけど💧
世の中のアップデートのスピードに、追いつけていないのは怖く感じます。
特に、好き嫌いの境界線が年々如実になってきて、嫌い=手を付けない になっているから、怖い。
もう、めっちゃ怖いよ(TOT)
つぐみさんおはようございます。
年を取ると、時代のトレンドに乗るのは難しいです。
年代が離れるほど、考え方のベースから違う感じ。
考え方が違うから、作品を理解するのに、多めのカロリーがいる。
気が合う作品だなって思うと、同年代の人が書いてたり……
年を取ったからこそ書けるテーマがあるので、
そこで勝負していくほうが、有利かなと最近思います。
時代の流れはチェックしつつも、むやみにトレンドを追い求めなくてもいいのかなって。