初めは応募するだけで楽しいと思っていた。
でも、結果が出ないことが続いて、それなのに周囲はどんどん賞を取っていく。自分が取っているのは歳だけ……
公募やめようかな、と思ったりするかもしれません。
そんな時どうしたらいいか、3桁受賞歴がありそれ以上に落選したことがある公募ガチ勢のサメダが、対処方法を考えてみました。
同じ境遇の人の発信物を見る

これがこのブログ書いている人が考える、最強の対処法です。
自分と同じ境遇、つまり、公募でうまくいっていない人の日記や、つぶやきなどを探し出し、それをしばらく眺めてみてください。
公募は(特に小説などは)99%近く落ちるのであり、落ちた人、うまくいっていない人のほうが多いです。
人は自慢しがちな生き物で、それに加えて受賞・デビューとなると宣伝も必要なので、そういった成功例ばかりが目に入ってきがちです。
しかし、そこまで行けてない人がその何倍も何十倍も存在するんですね。
そういう、落選勢の発信物を積極的に見てみてください。自分だけが不遇なのではなく、あ、みんな結構わりと似たような悩みを抱えているんだ、と思えます。
「公募 落選」「落選供養」「公募 ボツ」「一次落ち」などのワードで探してみると見つけやすいかも。公募の部分を「コンテスト」に変えてもいいかも。
また、
などは、自分の当落状況やその年の公募結果のまとめを上げている人が結構いるので、落選フレンズを探しやすいかと思います。
落ち込んでいる時にしてはおすすめできないことは、デビュー成功者・受賞者の声だけを見つめてしまうことです。
かれらの中には、自分はすごく努力したから結果を得られたと言う人もいますが、落選者が成功者に比べて努力していなかったのでしょうか? 必ずしもそうではないですよね。
サメダは下読みをしているので、なんでこれが落ちてあれが受賞するのだろう……と思うことはよくあります。賞レースは、そのくらいのわずかの差であることもあります。
成功したてでハイになって努力を振りかざす人を見ると、下読みとしては、正論めいた暴言がきついなあ、運もデカいのに。と思ったりします。
・『実力も運のうち 能力主義は正義か? (ハヤカワ文庫NF) 』
圧倒的正論で論破してきがちな、界隈の成功者にイラっとした時に、この本を読むと気分が多少晴れる。ただちょっと内容は難しめなので紙での読書がおすすめ(電子版もあります)
その道に入ってから日が浅い人の成功体験談を聞くのが無駄だとは言わないですが、真に受けすぎないほうがよいかと思います。
真面目な人ほど、自分の積み重ねてきたものまで卑下してしまうことになりかねないです。
とはいえ、成功者の体験談を聞くメリットもあります。自分の心が元気な時に、見てみるのもいいかもしれません。ときどき、次の応募者のために、その賞の選考時期や受賞通知の形態のことを受賞インタビューなどの際に、ほのめかしてくれる受賞者もいます。
気分転換に別のジャンルの公募に行ってみる
もしかするとあなたに向いている公募のジャンルが違うのかもしれません。
明らかに一般文芸向きな小説を、溺愛が欲しいと思っている賞に送っても必要とされないですよね。
これ書いている人は下読みでもあるのですが、「とんでもなくうまいけど、これはこの賞の求めているものではない」という作品を時々見ます。
作品としては明らかにカテエラなのに、そのジャンルにこだわりすぎるあまり的外れなジャンルの賞に送ってしまっている、というケースも結構見ます。
こういう作品を見るともったいないなと思います。
それに、例えば文章の公募と一口に言っても、小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、レシピアイデア、キャッチコピーなど様々ですよね。
小説で芽が出なければ、他のジャンルも並行して挑戦したっていいんです。
文章に向いてなさそうだと思えば、アート系という選択肢もあります。
才能は、大きな苦痛を伴わずにそこそこの結果が出てくる領域のことだとも言えます。自分の得意だと思っている分野と、結果を出しやすい分野は違う場合もあります。ぜひ、いろいろ試してみて欲しいです。
これは何度も書いている私見ですが、2、3度同じ賞に投げて下位選考にさえ引っ掛かりもしないのであれば、かなりの確度でその賞に向いてないので、いつまでも結果が出ない賞に投げ続けるのは、正直おすすめしないです。
どうしてもその賞に送りたい場合は、ある程度時間をおいてから応募したほうがいいかと思います。(中の人が変わっている可能性があるので)
公募意欲がダダ下がりしにくい賞に送る
公募意欲をこれ以上下げないために、意欲が下がりにくい公募を探すといいかもしれません。
じゃあ、ハートが傷つきににくい公募と何なのか。どういうのがいいのかわからない。という人がいると思うので、サメダ的おすすめを書いておきます。
それは以下です。
- 何度も開催している賞。開催一回目の賞は避ける(重要)
- 選考期間が短めな賞
- 選考スケジュール遅延の場合ちゃんとアナウンスしてくれる賞(過去回の応募者が不満を言っていないかそれが少ないところ)
- 受賞者と契約時に揉めたという話を聞かない賞
- 選考基準を明らかにしている賞
- その賞における受賞常連が多すぎない賞
- 受賞者がプロばかりで占められていない賞
- 有名すぎない賞(有名な賞は応募者多数になりがち)
- 選考経過・結果がweb上で誰でも閲覧できる状態の賞(応募したからにはその企業を支援しろよという意見があるのは承知ですが、私は選考経過に関しては無料で誰でも見られる状態のほうがいいと思う派です)
多すぎる。どれを優先させたらいいかわからない、という人には、ひとまず、
開催第一回目の賞だけはなるべく避けろ!
と言っておきたいです。
第一回目に送るリスクはいくつかあり、
応募数が多い・選考が難航などの理由から、告知なし発表延期を最終発表までに3、4回行った初回開催の賞が2025年もいくつかありました。
これは極端な例ですが、このようなリスクがあるので、初回開催の賞への応募は、人柱になるつもりなら止めませんが、ビギナーやメンタルが豆腐な人にはおすすめできないです。中堅以上の公募勢向けと言えるのかなと思います。
こういう賞を避けて、かつ同じ賞に応募する人のつぶやきなどを眺めつつ、公募意欲を回復させていってみてはいかがでしょうか。
まとめ
公募意欲が下がったときは、同じ境遇にいる落選フレンズを探してみよう。
特に、あなたと同じ賞の同じ段階あたりで落ちている人は、たぶんあなたとレベル感も近いかと思います。そういう人と交流してみると、切磋琢磨しやすく、ダダ下がりした公募意欲も上がってきやすいのではないかと思います。
別に公募をしなくてもだれからも責められることはないですし、躍起になって人生を賭けるほどの尊いことでもありません。
それに、AIがクリエイティブ分野においても成果を出し始めている昨今、絶対に、クリエイティブ系の公募に人生のリソースを割きすぎないほうがいいです。
それくらいなら作品集にしてイベントで売ったほうがいいし、むしろ難関資格取得のスクールにでも行くか、職業訓練所やカルチャーセンターで金になりそうなスキルを覚えたほうがいいです。その片手間に公募してください。下読みサメダはそう思います。









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