イラストや漫画を描いていて、この服、無地ではちょっと寂しいけど、模様のセンスに自信がない、という時ってありませんか?
柄マニアというほどでもないのでよくわからないし……という人もいるかと思います。
サメダがいつも模様を考えるときに、ありがたみを感じている本を紹介します。
西洋風
『ウィリアム・モリス – クラシカルで美しいパターンとデザイン』
ウィリアム・モリスは、19世紀イギリスのテキスタイルデザイナーです。
ファンタジー作家であったこともあり、非常に物語性のあるデザインパターンが数多く残っています。
ウィリアム・モリスの作品について知りたい方はびじゅチューンの動画が楽しいです。
- カラーかつ大判で解説されているので模様の細部までわかりやすい
- 表紙が銀のキラキラなので凝ってる装丁が好きな人はアツい
- こういう図版一般に言えることですが、相応のお値段がします
『花形装飾の博物誌』
この本は花菱装飾活字を使った古書やその装丁に見られる花菱装飾のパターンや模様が、ふんだんに掲載されています。
この装飾がいわゆるゴシック風なので、ゴシックっぽい柄や曲線と直線をスマートに組み合わせたデザインチックな植物パターンを作りたいときに非常に参考になります。
この本は『アイデア』というデザイン誌の、第325号(2007年11月号)同名特集の復刊本です。
復刊されたくらいなので、人気と需要があった内容なのだろうと思います。たしかにいちユーザーの意見としては、実用性が高いと感じます。
- これ一冊あればゴシック風のパターンや柄は大体間に合う気がする(主観)
- この本は絶版らしく、古本か図書館でしか手に入りません
- 本のページを撮影して誌面にしてあるページが多く、細かい柄が見えづらいページもある
『リバティプリントデザイン図鑑 世界でもっとも美しいテキスタイル』
世界で最も美しいと標榜するだけあり、この図鑑は質、ボリュームともに満足感があります。
この本は、初めての英国リバティ社公式本で、1875年創業から2017年発表までの142年間のうちの有名な柄をセレクトした本です。
リバティプリントが好きな人はもちろん、かわいい小花柄のバリエーションのアイデアがたくさん詰まっています。
もちろんこれを丸写しするのは犯罪なのでNGですが、配色やモチーフの組み合わせ、見栄えのいい構図の参考例として非常に有効な本です。
リバティプリントというと小花柄で西洋っぽい感じなんだろう?
と思うかもしれませんが、リバティプリントには、東洋モチーフを入れたデザインもあります。
ペイズリー、小花、アールヌーボー、幾何模様と、意外とモチーフは何でもあり感があって、じっくり見ていると、時間が溶ける感じです。
- ひとつの柄のカラーバリエーションも載っている
- そのデザインの名前や成立年代などもかかれている
- 図鑑だけど、ハードカバーではないのでそこまで重たくない
- この本は絶版らしく、古本か図書館でしか手に入りません
この本は絶版なのですが、似たような趣旨の本だと、『リバティプリント 100枚レターブック』があります↓
この100枚レターブックのシリーズは、他にも北欧、ウィリアムモリス、などキレイで見栄えのするデザインを集めたものが数多いのでそちらも参考になります。
このシリーズの一例↓
東洋風
日本の伝統柄の本について
日本のデザインや模様の本はとてもたくさん出ているので、本屋に行って気に入ったのを探してみるのが一番おすすめです。
別にここで紹介しなくても書店のデザインのコーナーなどで、簡単に探せるんじゃないかと思います。
上に挙げた、100枚レターブックのシリーズにもこのようなものがあります↓
『中国伝統吉祥図案』
この本はタイトルの通り、伝統的な吉祥図案と、なぜそれが吉祥的意味合いを持つのかが書かれています。
サイズはA5くらいなので持ち歩きやすいです。
福々しい図案を探しているときには持っていて損はないと思える一冊です。本を開くと、172種の吉祥文様が迎えてくれます。
それぞれの図案の解説のボリュームも多すぎず、読んでいて疲れにくいので、軽い読み物としても楽しめます。
- 吉祥模様が172種類も載っている
- サイズが持ち歩くのに適しているので扱いやすい
- 全ページ白黒なので、カラーでどういう感じなのかは別に調べる必要がある
- 吉祥図案が1種に1例しかない場合が多く、アレンジ力をわりと求められるかも
- 紙だと中古しか手に入らないかも(電子書籍は販売中)
まとめ
模様は漫然と考えていてもアイデアを出すのは難しいので、先行例をたくさん見て、そこから差別化していった方が効率的かと思います。
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